
革新的なブラウザ Netscape Navigatorを開発したマーク・アンドリーセン
2023.02.03
「Netscape Navigator」を開発したマーク・アンドリーセン


CSS2.0のリファレンスではないか。
この頃はNetscape NavigatorやInternet Explorerに合うようにサイトを作るのに苦労したものだな…


このNetscape Navigatorを開発したのが、マーク・アンドリーセンという若者で、23歳で億万長者となったのだ

まさにアメリカンドリームですね!

では今日はアンドリーセンのアメリカンドリームの話でもするかの〜!
NCSAでのMosaic(モザイク)開発
マーク・アンドリーセンは1971年の7月、アメリカのアイオワ州シーダーフォルズで生まれた後、ウィスコンシン州ニューリスボンに移り住みました。
アンドリーセンは小学生の頃 BASIC を覚え、ゲームを制作できるようになったりと、パソコンに親しみながら成長していきました。
そして、イリノイ大学アーバナシャンペン校に進学し、コンピュータサイエンスの学士号を取得します。
World Wide Webとの出会い
在学中アンドリーセンはIBMでインターンとして働いた後、イリノイ大学内にある NCSA(米国立スーパーコンピュータ応用研究所)に働きはじめました。
そこでティム・バーナーズ=リーによって発明されたWorld Wide Webのこと知ることになります。
そして、ブラウザ「ViolaWWW」でWebページを見て驚きました。
「ViolaWWW」はレイアウトされたページに、ブックマーク機能や1つ前のページに戻れたりする機能がありました。
アンドリーセンはインターネットを容易に見られるブラウザが、これからの世界を変えるものになるだろうと確信。
同じ大学のエリック・ビナと新しいブラウザ開発に挑戦することになりました。
「Mosaic」の成功
「ViolaWWW」は、テキストと画像を同じウィンドウで見ることはできませんでした。
そこでまず、テキストと画像を同じウィンドウで見られるようにし、フォームをサーバーへ送ることも可能にしました。
またUnix向けだったのをWindowsやMacOSにも対応し、誰でも簡単にインストールして使用できるブラウザにしたのでした。
1993年にリリースされた「Mosaic」はすぐに50%以上のシェアとなり、インターネットを普及させる原動力となりました。
アンドリーセンはこの成功に歓喜しましたが、NCSAは「Mosaic」のライセンスをアンドリーセンとビナに与えようとしませんでした。
このことに落胆したアンドリーセンはNCSAを去りました。



ネットスケープコミュニケーションズ
NCSAを退社したアンドリーセンにジム・クラークからある日連絡がありました。
ジム・クラークは、ユタ大学でコンピュータグラフィックスの父と呼ばれるアイバン・サザランドの教え子であり、業務用コンピュータの製造販売会社「シリコングラフィックス」を創業していました。
クラークはWebブラウザに商業的価値があることを見通して、アンドリーセンにいっしょに会社を興すことを持ちかけてきたのでした。
アンドリーセンは元々「Mosaic」をまだまだ開発したい気持ちがあったので、クラークの話に同意し、「モザイクコミュニケーションズ」を共同設立しました。
しかし会社の名前は、NCSAから苦情が入り、「ネットスケープコミュニケーションズ」に名前を変更。
そして「Mosaic」を超える新しいWebブラウザを開発するのでした。
Netscape Navigator登場
1994年公開された「Netscape Navigator」は、「Mosaic」の機能に加え、W3CのHTML2.0に準拠して作られました。
ハイパーリンクやテーブルレイアウトが可能になり、ツールバーは拡張され、使いやすいブラウザとなりました。
「Netscape Navigator」はたちまち人気になり、「Mosaic」を超えトップシェアの座につきました。
そして「ネットスケープコミュニケーションズ」は1995年に株式を公開し、アンドリーセンは弱冠23歳にして億万長者となるのでした。




ブラウザ戦争勃発
迫るInternet Explorer
1996年にはシェア70%で圧倒的な強さを誇った「Netscape Navigator」でしたが、マイクロソフトの「Internet Explorer」がじりじりと追い上げてきていました。
「Internet Explorer」は1994年に開発され、「Windows95」の普及とともに広がり始めました。
当初は「Netscape Navigator」に及びませんでしたが、機能も改良されていきました。
W3Cが推進していたCSS(スタイリングシート)にもいち早く対応し、表示が崩れ、見られないなどの不具合を次々と解消していくのでした。
それに対抗するべく「Netscape Navigator」は1997年、JavaScriptの機能を強化したバージョン4にアップグレード。
更に1998年「Netscape Communicator 4.5」をフリーソフトとして公開し、検索エンジン機能、スタートページボタンの設置などで強化しました。
それでも1998年「Netscape Navigator」のシェアは50%にまで落ち込みます。
そこへ「AOL」が買収を持ちかけたのです。
AOL はインターネット接続サービスとして更なる拡張のため、多くのユーザーを持つ「Netscape Navigator」を取り込もうとしたのでした。
「Netscape Navigator」は1999年に買収され、アンドリーセンはAOLの最高技術責任者に就任しました。
WEBデザイナーの選択
1999年、マイクロソフトはHTML4.0と互換性のInternet Explorer 5.0を公開しました。
HTML4.0は1997年に公開され、翌年仕様改訂されたばかりでしたが、「Internet Explorer5.0」は早くも対応し、ブラウザの速さも2倍となったのでした。
この新しい Internet Explorer の登場により、Webデザイナーにも新たな動きがみえはじめました。
インターネットの普及に伴い、個人や企業などWebサイトが多く作られるようになっていました。
サイトを作るデザイナーたちは、HTMLやCSSの仕様に従い、各ブラウザできちんと表示されるように作らなければなりませんでした。
はじめはシェアの高い「Netscape Navigator」や「Internet Explorer」にそれぞれ対応したサイトを作っていましたが、HTMLやCSSとの互換性が高い「Internet Explorer5.0」が公開されると、「Internet Explorer」向けのサイトをメインで作成するデザイナーが大幅に増えていきました。
そしてCSSへの対応に立ち遅れた「Netscape Navigator」はますますシェアが下がり、「Netscape Navigator」に合わせたサイトを作るデザイナーは激減してしまったのです。
こうして「Netscape Navigator」はブラウザ戦争に敗れ、2002年に開発は終了しました。



そこで W3C が HTML や CSS タグの標準化に取り組むようになり、ブラウザ開発にも互換性を求めたのだ

アンドリーセンのその後
AOLの最高技術責任者となったアンドリーセンは、7か月後には退社。
その後、ネットスケープコミュニケーションズでいっしょに仕事をしていた「ティム・ハウズ」や「ベン・ホロウィッツ」らとLoudCloudを設立しました。
LounCloudは、電子商取引企業のITサービスを提供する会社でした。
しかしこの会社をEDS (Electronic Data System)に売却し、2003年にアンドリーセンが社長になると、名前をOpswareに変更しました。
Opswareでは、企業向けのITサービスを展開し、ソフトウェアをサブスクリプション形式で提供するホスティングサービスをしていました。
このサービスは、この時代では今までにない試みでした。
会社は順調でしたが、2008年にHP(Hewlett-Packard)に売却。
そして翌年ベンチャーキャピタル会社アンドリーセン ホロウィッツを設立します。
アンドリーセン・ホロヴィッツはSkype、Facebook、Twitterなどこれから伸びることを予測できる新興企業に投資していきました。
Why Software Is Eating The World
アンドリーセンは2011年、ウオール・ストリート・ジャーナルに「Why Software Is Eating The World(ソフトウェアが世界を飲み込む理由)」を書いています。
要約すると
古いビジネスモデルの企業は、次々とソフトウェア化されていく波に乗れないと、廃業に追い込まれてしまう
という内容です。
本の購買は「Amazon」、音楽の購入は「iTunes」、DVDレンタルは「Netflix」というように、新しいビジネスモデルが提供するソフトウェア、これらは人々の欲求を満たし瞬く間に広がっていきました。
そして、その陰で衰退していく、アナログなビジネス。
現在にも続くこの課題をアンドリーセンは、いち早く予見していたということです。
アンドリーセンの頭の中には、ITが広がる次の世界が常に見えていることでしょう!

そして今は投資家として有望な起業家をサポートしているんじゃ!





私は荒波の下でクラゲのように漂って生きていきますから

だが、たまには、波の上でサーフィンもせにゃならんぞ!
書いた人はこんな人

- 「好きを仕事にするエンジニア集団」の(株)ライトコードです!
ライトコードは、福岡、東京、大阪の3拠点で事業展開するIT企業です。
現在は、国内を代表する大手IT企業を取引先にもち、ITシステムの受託事業が中心。
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