• トップ
  • ブログ一覧
  • 自動塗り絵ができるPaintsChainer(ペインツチェイナー)をローカルで動かしてみた
  • 自動塗り絵ができるPaintsChainer(ペインツチェイナー)をローカルで動かしてみた

    広告メディア事業部広告メディア事業部
    2019.08.08

    IT技術

    PaintsChainerとは?

    「chainerのexampleコードを動かすのは飽きた…」

    「もっと本格的なコードを動かしたい!」

    そう思い、今回は、PaintsChainer(ペインツチェイナー)を動かしてみました。

    PaintsChainerは、線画を与えると自動的に色を塗ってくれるウェブサービス

    2018年に文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で優秀賞を受賞しています。

    そんな凄いサービスのコードがGithubで公開されているなんて!

    一部機能限定版ですが、コードがGithubで公開されていたので、ローカルで動かしてみたいと思います。

    【PaintsChainer】
    https://paintschainer.preferred.tech/index_ja.html

    こちらの記事もオススメ!

    featureImg2020.07.28機械学習 特集知識編人工知能・機械学習でよく使われるワード徹底まとめ!機械学習の元祖「パーセプトロン」とは?【人工知能】ニューラルネ...

    featureImg2020.07.17ライトコード的「やってみた!」シリーズ「やってみた!」を集めました!(株)ライトコードが今まで作ってきた「やってみた!」記事を集めてみました!※作成日が新し...

    PaintsChainerをローカルで動かしてみた

    さっそく検証環境を作って、ウェブ素材集の線画を与え、塗りを試してみました。

    ウェブ公開版は、「たんぽぽ」「さつき」「かんな」と名付けられた塗り方が選べます。

    Github版は1種類のみ。

    塗り方は、ウェブ公開版の「たんぽぽ」と同じです。

    淡い色使いで、デフォルトでもそこそこキレイに塗り分ける事ができました。

    【環境構築】ChainerをCPUのみで動かす場合の設定方法(Windows)

    では、最速で環境を構築していきたいと思います。

    なお、今回は、ChainerをGPU(グラフィックボード上のCPU)を使わず、CPUのみで動かしてみます。

    以下の構成で環境を作っていきます。

    1. anaconda
    2. python3.6
    3. opencv
    4. chainer
    5. git

    Anacondaをインストール

    Anacondaは、隔離されたPythonの環境を構築するのに便利な管理ソフトです。

    Python3.7版Python2.7版があります。

    特に理由がない場合は、Python3.7版を選びましょう。

    ちなみに、事前にpythonをインストールしておく必要はなく、Anacondaインストール時に、自動的にPythonがインストールされます。

    Anaconda 公式サイト ダウンロードページ

    Python3.6ベースの仮想環境を作る

    Anacondaで、仮想環境を「Create」します。

    Pythonのバージョンは、3.6を指定します。

    なぜ、最新の3.7ではなくて3.6かというと、3.7で環境を作ったら実行時にエラーになったからです。

    詳細は後ほど説明します。

    ちなみに、Anacondaは、気軽に環境をいくつも作れるので、試行錯誤で行き当たりばったりでモジュールを入れまくっても安心です。

    git,opencv,chainerをインストール

    Anacondaがインストール済みなら、残りのモジュールはAnacondaのGUIからインストールできます。

    Anacondaで作成した環境を選択します。

    Anacondaの右画面で、目的のモジュールを検索し、インストールします。

    以下の3つを検索し、インストールしてください。

    git
    github上のコードを管理するためのツール。今回は、githubに公開されているコードをローカルにダウンロードするために使います。

    opencv
    高速に画像認識や画像処理するためのモジュールです。

    chainer
    ディープラーニングのフレームワークの一つで、比較的インストール要件のハードルが低いです。

    PaintsChainerのコードをGitHubからダウンロード

    Anacondaから、ターミナルを開きます。

    ターミナルから、mkdirコマンドで適当なフォルダを作ります。

    1mkdir git_local
    2cd git_local

    ターミナルから、git cloneコマンドを実行して、コードをダウンロードします。

    1git cloen https://github.com/pfnet/PaintsChainer

    学習済みモデルをダウンロード

    学習済みモデルを以下のURLからダウンロードします。

    PaintsChainer Pre-Trained models

    「unet_128_standard」「unet_512_standard」をダウンロードして、ローカルリポジトリPaintsChainer\models 以下にファイルをコピーします。

    PaintsChainerをパソコンのローカルで実行する

    anacondaのターミナルから、以下を実行します。

    1python server.py -g -1

    -g -1  というオプションは、gpu(グラフィックボード上のCPU)を使わないという設定です。

    ブラウザのURL欄に、localhost:8000と入力して、画面を開きます。

    Python3.7では、PaintsChainerが動かない

    PaintsChainerは、opencvとchainerのインストールだけで動作します。

    ただし、Python3.7だと動かなかったんですね。

    画像をアップロードすると、なぜか、以下のエラーとなりました。

    1File "C:\Users\xxxxxx\Anaconda3\envs\python37\lib\cgi.py", line 220, in p
    2arse_multipart
    3headers['Content-Length'] = pdict['CONTENT-LENGTH']
    4KeyError: 'CONTENT-LENGTH'

    調べてみたところ、このエラーは、python3.7で固有のものでした。

    今回は、python3.6を使うことで回避しました。

    python公式サイトによると、まもなくパッチがリリースされるようです。

    課題 34226: cgi.parse_multipart() requires undocumented CONTENT-LENGTH in Python 3.7 - Python tracker

    ChainerがGPUで動かない…原因は?

    PaintsChainerは、CPUのみでも、特に大きな苦労もなくサクサク動きました。

    しかし、ChainerでGPUを使って動かそうとすると、途端に難易度が上がります。

    NVIDIAのCUDA(GPUを制御するライブラリ)Cupy(pythonからCUDAを操作するためのモジュール)という、この2つの扱いがとても難しいです。

    グラフィックボードの型番、グラフィックドライバーのバージョンによってインストールモジュールが違うのです。

    ネットで情報を集めてその通りに実行しても、環境によって対応方法が違うため、なかなか問題解決ができない事も出てくるかと思います。

    Release Notes :: CUDA Toolkit Documentation

    また、cupyには、以下の制約があります。

    1. cupyは、Python3.6以降でないと動かない(Windowsの場合のみ)
    2. cupyは、グラフィックボードのcapabilityの値が3.0以上でないと動かない

    Installation Guide — CuPy 6.2.0 documentation

    特に、CUDAとcupyは、複数あるバージョンから、環境に適切なものを選ぶ必要があります。

    「このコマンドが正解」というものはなく、環境に合わせて自分で選ばなければならないんですね。

    GPUを使ってchainerを動かしたい方は、この辺りをしっかり理解しておく必要があります。

    こちらの記事もオススメ!

    featureImg2020.07.28機械学習 特集知識編人工知能・機械学習でよく使われるワード徹底まとめ!機械学習の元祖「パーセプトロン」とは?【人工知能】ニューラルネ...

    featureImg2020.07.30Python 特集実装編※最新記事順Responder + Firestore でモダンかつサーバーレスなブログシステムを作ってみた!P...

    ライトコードでは、エンジニアを積極採用中!

    ライトコードでは、エンジニアを積極採用しています!社長と一杯しながらお話しする機会もご用意しております。そのほかカジュアル面談等もございますので、くわしくは採用情報をご確認ください。

    採用情報へ

    広告メディア事業部

    広告メディア事業部

    おすすめ記事

    エンジニア大募集中!

    ライトコードでは、エンジニアを積極採用中です。

    特に、WEBエンジニアとモバイルエンジニアは是非ご応募お待ちしております!

    また、フリーランスエンジニア様も大募集中です。

    background