システムエンジニアの今と昔
昭和のSEのうそのような本当の話
クライアントから、システムの要件をヒアリングし、その内容に沿って設計をするのが主な仕事の SE (システムエンジニア)。
今の SE は、「パソコン」「モバイル」「インターネット」の時代に生まれ、昔に比べてかなり充実した環境で仕事ができます。
しかし、今から30~40年前では、そうもいきませんでした。
今の当たり前が存在していない分、大手ソフトウェアハウスの SE ですら、うそのような本当の話がいくつも生まれたのです。
今回は、少し笑えて、今思えば楽しかった昭和の SE について紹介していきます!
多様化でひとくくりにはできなくなった現在のSE
昭和の SE は、種類といっても、
- 汎用系 SE(官公庁・銀行・証券など)
- 制御系 SE(組込み・機械など)
- オープン系 SE(POSなど)
に分かれる程度でした。
一方で今の SE は、業務が多様化してきたこともあって、「汎用系の○○」「制御系の××」と、より細分化されています。
また、各社によって強い分野も異なるので、これから SE を目指そうとする方は、その点もチェックしながら探すのがいいかもしれません。
【昭和のSEその1】システム設計は紙に手書き
システムの設計が主な仕事となる SE ですが、80年代はじめは、パソコンがまだ普及途中。
そのため、設計書やフローチャート(設計の流れ図)は、手書きをするのが一般的でした。
書く紙は、今では見かけることも無くなった、ペラっとした専用の設計用紙。
その設計用紙に、ひたすらフローを書きまくるというのが、「SE の日常」だったのです。
プログラマーも紙に手書き
紙ベースでのクライアント・レビュー(設計会議)が完了したら、次はプログラマーが、プログラミング言語に落とし込んでいきます。
今では信じられないかもしれませんが、これも手書きだったのです。
この作業も、専用のプログラミング用紙があり、その紙にひたすらコードを書きまくるというのが、「プログラマーの日常」だったわけです。
プログラムはカードで機械へ
こうして完成したプログラムを、次は機械に読み込ませます。
まずプログラムは、機械が読み込めるように、カードにしなくてはいけません。
それを行うのが、「キーパンチャー」の役割。
キーパンチャーが作ったカードを、機械に読み込ませ、機械翻訳を行うのです。
このように昔は、今では気の遠くなる様な作業が、ひたすら繰り返されていたわけですね…
【昭和のSEその2】開発期間は3年、システム要員は100人以上も
銀行や証券にかかわる大規模なシステムでは、本番稼働を迎えるまでに3年、システム要員が100人を超すケースもありました。
今でこそ、開発時に使う「PC」や「テスト端末」は、一人1台が当たり前の時代。
これも、昔ではありえないことで、複数人で1台を使っていたのです。
時には、SE 同士でも「早い者勝ち」「取ったもの勝ち」と、争奪戦になることさえありました。
ただでさえ、アナログに進めていた開発ですから、その環境では時間はかかるばかり…
今の環境が、どれほど進歩したのかがわかりますね!
本番稼働するタイミングも変わってスピーディーに!
開発環境が充実したことで、システムが稼働する状態なら本番稼働し、徐々に完成させていく手法も今では増えています。
しかし昔は、本番稼働させた後に手直しをすることなど、ほとんどありませんでした。
これは、SE にとっても大きな変化です。
これにより、スピーディーに効率よく、システム開発を進められるようになったわけですね!
【昭和のSEその3】職人気質の人多数!こんな人もいた
今ではすっかり見かけなくなった、職人気質 SE の「あんな人」や「こんな人」。
コンプライアンス上、どうかと思われるかもしれませんが、過去の事ということで、一挙に紹介していきたいと思います!
- 機械翻訳にかけるカードを見ただけでエラーがわかる人間翻訳機
- ブラインドタッチは無理!しかし、1本指なら異常に早いタイピングの達人
- PCを確保させたら右に出る者なし!次に空くPCが即座にわかる確保の達人
- 普段は仕事に出てこず迎えが必要!しかし、設計センス抜群な設計の達人
- システムエラーが出たら即時解決!何でも直してしまうバグ発見の達人
さいごに
昭和の香りが漂う、発展の途中の SE。
SE を取り巻く環境は大きく変わり、使われる言葉の変化はもちろん、使われるオフィスまでもお洒落になりました。
今では、リモートワークも推奨され、さらに SE にとっても働きやすい環境へと進化しています。
ただ、以下に挙げる SE がやるべき本質は、今も昔も大きくは変わりません。
- クライアントの「望んでいる事」や「したい事」を正確に汲み取る
- チームでのコミュニケーションを密にする
- エラーケースをつぶす
- 納期はキッチリ守る(ズレるときは調節)
これらは、今でも SE の心得ですよね!(出来てるかな?自分!)
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