WEBブラウザは何を使ってる?
WEBブラウザの歴史
何気なく使っているインターネットのWebサイト。
私達がスマホやPCで色々なWebサイトを見られるのは、「Webブラウザ」というソフトウェアのおかげです。
普段、特に意識しないWebブラウザですが、実は各社による激しい市場シェア争奪戦が行われていたのです。
今回は、そのWebブラウザの知られざる戦争の歴史を見ていきましょう!
Webブラウザとは
Webブラウザとは、Webサイトを閲覧するために使うソフトのことです。
ブラウザは、英語の「立ち読みする。拾い読みする。」という意味の「browse」を語源としています。
Webの使われ方を端的に表しているネーミングだと思います。
最初のブラウザ:World wide Web
Webが生まれたのは、1990年代初頭のことでした。
したがって、Webブラウザの歴史もそこから始まります。
最初のブラウザは、その名も『WorldWideWeb』といいました。
「世界中に張り巡らされた蜘蛛の巣(Web)」という意味で、Webの仕組みそのものを表す名前が付けられていました。
このブラウザは、テキストだけの表示で文章をリンクさせており、画像は扱えませんでした。
画像が扱えるブラウザの誕生:Mosaic
1992年には画像が扱えるブラウザが登場します。
これが『Mosaic(モザイク)』で、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)によって開発されました。
Mosaicは、世界で一番最初に普及したブラウザと言われています。
Mosaicが普及した理由は、Webの技術と共に無償で公開されていたからです。
Mosaicを超えるゴジラのようなブラウザ:ネットスケープナビゲータ
1994年には、Mosaicの開発者が立ち上げたモザイクコミュニケーションズ社で、モザイクの後継ソフトが開発されました。
当初のソフト名は『Mozilla(モジラ)』といいました。
「モザイクを超えるゴジラの様な怪物」という意味だそうです。
実際の製品名としては、『Mozilla』ではなく『ネットスケープナビゲータ』として登場しました。
会社名も『ネットスケープコミュニケーションズ』に変わりました。
Mozillaの販売方法は、シェアウェアと呼ばれる方法でした。
機能限定版を無料で配布し、「制限を解除したいときはお金を払ってください」というシェアを広める戦略としてはうまい仕組みでした。
第一次ブラウザ戦争
Windows95によりIEが普及
ネットスケープナビゲータの対抗馬として登場したのが、マイクロソフトの『インターネットエクスプローラ(IE)』です。
1995年に発売されたマイクロソフトのOS『Windows95』は、社会現象になるほど爆発的に普及しました。
それまでのWindowsは、ネットワーク機能が弱点でした。
しかし、Windows95 は、標準でネットワークの機能を実装していて、Webブラウザさえインストールすれば、Webが利用可能でした。
マイクロソフトは、自前のWebブラウザを開発するために、Mosaic のライセンスを NCSA から取得しました。
そうしてできたのが、「IE 1.0」です。
IE1.0 は、Windows95 と同時に発売されたOS機能拡張ソフト『Microsoft Plus!』に含まれていました。
IEとNNの熾烈な争い
インターネットエクスプローラ(IE)と、ネットスケープナビゲータ(NN)は激しいシェア争いを繰り広げ、両者とも頻繁にバージョンアップを繰り返しました。
シェア争いの経過は、IE が NN のシェアを奪っていく形で推移しました。
価格競争としては、IE は圧倒的に有利でした。
当時、NN はシェアウェアとして有料でしたが、IEは無償で公開されていたからです。(後には、Windowsに組み込まれました。)
NNとIEのHTMLに対する考えの違い
両社は、Webサイトの規格である HTML に対する考え方も異なっていました。
NN は、W3Cという標準化団体が決めた HTML の規格に、かなり厳密に従っていました。
しかし、IE は W3C の規格には無い、独自の機能拡張を行っていました
例えば、当時は多くのサイトが手書きのHTMLで作られていましたが、そのようなHTMLの中には記述が正しくないものも多くありました。
NNは、正しく記述されていないと正しく表示されませんでした。
しかし、IEの場合は製作者の意図をくみ取って積極的に表示の補正を行っていました。
参考
World Wide Web Consortium(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)は、World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された標準化団体、非営利団体。略称はW3C(ダブリュースリーシー)。
ティム・バーナーズ=リーが創設し、率いている。このコンソーシアムには企業や団体が会員として加入し、専任スタッフと共にWorld Wide Webの標準策定を行っている。2014年1月26日現在、388の組織が会員として加入している。
引用:Wikipedia
第一次ブラウザ戦争の終結
インターネットサービスが普及し、企業内部の基幹システムもWebベースで構築されるようになると、当時のWebブラウザの機能では色々と足りない部分が出てきました。
マイクロソフトは、このようなユーザーの要望に応じて、IEにシステムのプラットホームとしての機能を追加していきました。
上記のような理由で、2000年には、IE がシェアをほぼ独占し、第一次ブラウザ戦争は終結しました。
第二次ブラウザ戦争
最初の戦争は、二強のガチンコ勝負でしたが、第二次ブラウザ戦争は群雄割拠の混戦となりました。
競争相手が無くなったIEは、その後開発が停滞し、魅力的な新機能がリリースされなくなりました。
また、圧倒的なシェアを占めたことのデメリットとして、IE のセキュリティホールを狙ったウィルスなどが多く出現するようになり、セキュリティ問題に悩まされることになりました。
ネットスケープ社の逆襲
一方、IEにシェアを奪われたネットスケープ社は、次世代のWebアプリのためのオープンソースプロジェクト『Mozilla』を立ち上げます。
これは、プログラムのソースコード(設計図)を公開し、世界中の技術者が開発に参加できるようにしたものです。
その中から誕生したのが、新ブラウザ『Mozilla Firefox』で、再び IE とシェアを争うことになります。
IEの覇権の崩壊
2008年に、インターネット検索エンジンで有名なGoogleから『Chrome(クローム)』が登場します。
Chromeは、その動作の軽快さとGoogleサービスとの親和性から確実にシェアを伸ばしていきました。
さらに、アップルがIEのバンドルをやめて独自のブラウザ『Safari』を世に出します。
このように多くのWebブラウザが市場に登場し、IEの覇権が崩壊していったのが、第二次ブラウザ戦争の流れです。
2013年ごろには、Chromeが浸透し、ついにIEを超えて世界シェアトップに立ちます。
さいごに
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