無料通話アプリといったら『Skype』
二クラス・ゼンストロームの生い立ち
引用:wikipedia
ニクラス・ゼンストロームは、世界で3億人以上が利用していると言われている、インターネット電話サービス『Skype』の生みの親で、ヨーロッパの起業家のお手本とされている人物です。
これまで、Skypeを筆頭に『Kazaa』『Joost』といった、画期的なインターネットサービスを次々と生み出し世の中を変えてきました。
簡単な経歴
ゼンストロームは、1966年にスウェーデンのストックホルムに生まれました。
スウェーデンの大学で、経営学と工学物理学を学び、その後、渡米。
アメリカのミシガン大学を卒業後、スウェーデンの僅か23人の従業から始まった、小さな通信会社「Tele2」に入社しました。
ファイル共有ソフトで成功するも訴訟やスパイウェア問題で失脚
2000年ゼンストロームは、デンマークの起業家ヤヌス・フリスと出会い、「Tele2」で培った技術を基に共同で、P2Pファイル共有ソフト『Kazaa』を開発する会社を設立しました。
Kazaa は、P2P(ピア・ツー・ピア)という通信技術を使い、サーバーを介さずにPCや端末同士でファイルをやりとりできるサービスでした。
データファイルを共有し、高速でダウンロードできるソフト Kazaa は、爆発的にダウンロードされ、世界中で15万人が利用する人気ソフトに成長します。
その一方で、無料でダウンロードできることで、アドウェアやスパイウェアに感染するリスクも高まってしまいました。
その結果、「世界で最も危険なスパイウェア」に認定されてしまったのです。
Skypeの登場で電話、メッセンジャー、ビデオチャットなどが無料に
Kazaa を失ったゼンストロームですが、起業家として怯むことはありませんでした。
Kazaa の裁判中に、共同経営者のフリスとともに、P2P技術を応用したインターネット電話サービス『Skype』を開発する準備をはじめます。
Skype は、VoIP という技術を使い、ネット上のパケット通信で音声データをやりとりして通話を可能にしました。
インターネット回線を流用できるため、非常に安価なコストで通話できるという大きなメリットがありました。
通話料が無料という衝撃
Skype が登場した当時は、電話の通話料が何時間話してもタダというのは画期的なことでした。
Skype は、それまで高額だった国際電話やテレビ電話を無料で、しかも高音質で提供したのです。
当時、このサービスの先進性に投資家たちは全く注目しておらず、ゼンストロームは出資金を集めるのに苦労したそうです。
「ネット通話」「ビデオチャット」「メッセンジャー」が無料でできる Skype は、2003年8月にサービスを開始すると、またたく間に世界に広まりました。
また、複数人数(当時は最大25人まで)同時通話によるビデオ会議なども可能にし、ビジネスの世界でも広く利用されるようになりました。
Skypeを売却し投資家に転身
Skype で大きな成功を収めたゼンストロームは、サービス開始から僅か2年後の2005年にeBay社にSkypeを約26億ドルで売却しました。
そして、2007年にSkypeのCEOを退きます。
Skype で巨額の資産を得たその後は、P2P を使ったオンデマンド・テレビ『Joost』という時代に先駆けたサービスに立ち上げました。
さらに、自分のような起業家やベンチャー企業を支援する投資会社「Atmico」を設立し、投資する側に転身しました。
イノベーターにして慈善家 ニクラス・ゼンストロームの現在
ゼンストロームは、現在も「Atmico」で投資家としてベンチャー企業を育てる活動しています。
その傍ら、気候変動から地球を守るための環境保護活動などにも力を入れています。
ITの世界のイノベーターとしてだけなく、環境保護活動を中心とした慈善活動が認められ、2006年には米TIME誌の「最も影響力のある100人」に選ばれています。
You shouldn’t be afraid of failure – when something fails, you think, ‘What did I learn from that experience? I can do better next time.
失敗を恐れてはいけない。失敗した時に、あなたはその経験から何を学びましたか? 次回はもっとうまくやれる筈さ
ニクラス・ゼンストローム
最後に、彼の不屈の起業家精神を象徴するような名言を紹介しました。
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