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  • Kaggler がよく使う「LightGBM」とは?【機械学習】

    メディアチームメディアチーム
    2020.07.15

    IT技術

    LightGBMとは?

    LightGBM は、2016年に米マイクロソフト社が公開した勾配ブースティングに基づく機械学習手法です。

    公開されてまだ3年足らずですが、「Kaggler」の上位6割以上が LightGBM を用いているという集計結果が報告されています。

    これは、データサイエンティストとして、「知らなかった」では済まされません。

    LightGBM を実装できるようになり、ステップアップしていきましょう!

    それでは、計算原理から実装まで、順を追って説明していきます。

    LightGBM の計算原理

    LightGBM 公開前の勾配ブースティングは、「XGboost」が主流でした。

    勾配ブースティングには、「予測精度は高いが、計算時間が長い」という特徴があります。

    当時、勾配ブースティングの主流であった「XGboost」に対し、LightGBM の「予測精度を保ったまま計算時間を大きく削減できる」という特徴に注目が集まり、急速に広まりました。

    LightGBM では、計算時間を削減するために色々な工夫がなされており、XGboost と比較すると以下の2点が大きく異なります。

    計算時間削減のための工夫(その1)

    1点目は、「Level-wise」から「Leaf-wise」に変更されている点です。

    出典:https://lightgbm.readthedocs.io/en/latest/Features.html

    「Level-wise」は、各層ごとに一括で決定木の分岐を行います。

    その一方、「Leaf-wise」は、分岐させるべき葉に絞って分岐を行います。

    葉の数が減ることで、計算時間が短くすることができます

    計算時間削減のための工夫(その2)

    二点目は、「葉の分岐点を探す際にヒストグラムを採用している」という点です。

    これまでは、すべてのデータを読み込んで分岐点を探していました。

    この読み込み時間に占める割合が非常に多いのですが、ヒストグラムで分岐点の狙いをつけることで、高速処理が可能となりました。

    このように葉の数を減らし、葉の生成時間を短くすることで、計算時間が大幅に短縮されました。

    それでは、LighGBM の実装に移ります。

    LightGBM の実装

    LightGBM ライブラリのインストール

    まずは、AnacondaPrompt から LightGBM ライブラリをインストールします。

    1conda install -c conda-forge lightgbm

    または、jupyternotebook からインストールしましょう。

    1pip install LightGBM

    これでインストールは完了です!

    コードの実装

    次に、必要なライブラリを読み込みます。

    1# 必要なライブラリのインストール
    2import pandas as pd
    3import numpy as np
    4import matplotlib.pyplot as plt
    5import lightgbm as lgb
    6import time
    7
    8from pandas import DataFrame
    9from sklearn.model_selection import train_test_split
    10from sklearn.metrics import mean_squared_error

    今回は、「ボストン住宅価格」のデータセットを用います。

    データセットを確認し、正しく結合できていることを確認します。

    1# ボストン住宅価格データセットの読み込み
    2from sklearn.datasets import load_boston
    3
    4boston = load_boston()
    5
    6# 説明変数を読み込む
    7X_array = boston.data
    8# 目的変数を読み込む
    9y_array = boston.target
    10# データフレームの作成
    11df = DataFrame(X_array, columns = boston.feature_names).assign(Price=np.array(y_array))

    ボストン住宅価格のデータセット

    ボストン住宅価格のデータセットの詳細

    CRIM犯罪発生率(町毎の一人当たりの犯罪率)
    ZN住宅区画の割合(25,000 平方フィート以上)
    INDUS小売業以外の商業が占める土地面積の割合
    CHASチャールズ川沿いかどうか (ダミー変数 1: 川沿い  0: それ以外)
    NOX窒素酸化物の濃度(pphm)
    RM1戸当たりの平均部屋数
    AGE1940年よりも前に建設した物件の割合
    DISボストンにある5つの雇用施設までの重み付き距離
    RAD環状高速道路へのアクセス指数
    TAX10,000ドル当たりの固定資産税の割合
    PTRATIO町毎の生徒と教師の比率
    B1000(Bk – 0.63)^2 の値。Bkは町毎の黒人の割合。
    LSTAT低所得者の割合 (%)
    Price家賃

    上表がデータセットの詳細です。

    家賃を目的変数とし、それ以外を説明変数とします。

    訓練データとテストデータに分割

    次に、「訓練データ」と「テストデータ」に分けます。

    LightGBMは、専用のデータセットに入れることで処理速度が上がります。

    今回の評価基準は、RMSE としています。

    1# 訓練データとテストデータに分ける
    2train_set, test_set = train_test_split(df, test_size = 0.2, random_state = 123)
    3# 説明変数と目的変数に分ける
    4x_train = train_set.drop('Price', axis = 1)
    5y_train = train_set['Price']
    6x_test = test_set.drop('Price', axis = 1)
    7y_test = test_set['Price']
    8# LightGBM用のデータセットに入れる
    9lgb_train = lgb.Dataset(x_train, y_train)
    10lgb.test = lgb.Dataset(x_test, y_test)
    11# 評価基準を設定する 
    12params = {'metric' : 'rmse'}

    回帰結果の確認

    LightGBM の回帰結果を確認します。

    1# 訓練データから回帰モデルを作る
    2gbm = lgb.train(params, lgb_train)
    3# テストデータを用いて予測精度を確認する
    4test_predicted = gbm.predict(x_test)
    5predicted_df = pd.concat([y_test.reset_index(drop=True), pd.Series(test_predicted)], axis = 1)
    6predicted_df.columns = ['true', 'predicted']
    7# 予測値を図で確認する関数の定義
    8def Prediction_accuracy(predicted_df):
    9    RMSE = np.sqrt(mean_squared_error(predicted_df['true'], predicted_df['predicted']))
    10    plt.figure(figsize = (7,7))
    11    ax = plt.subplot(111)
    12    ax.scatter('true', 'predicted', data = predicted_df)
    13    ax.set_xlabel('True Price', fontsize = 20)
    14    ax.set_ylabel('Predicted Price', fontsize = 20)
    15    plt.tick_params(labelsize = 15)
    16    x = np.linspace(5, 50)
    17    y = x
    18    ax.plot(x, y, 'r-')
    19    plt.text(0.1, 0.9, 'RMSE = {}'.format(str(round(RMSE,3))),transform = ax.transAxes, fontsize = 15)
    20# 予測値を図で確認する
    21Prediction_accuracy(predicted_df)

    精度良く予測できていることが分かります。

    結果から分かるように、データ数が少ない部分はどうしても精度が下がってしまいます。

    特徴量の重要度の確認

    次に、特徴量の重要度を確認します。

    1# 特徴量の重要度を確認
    2lgb.plot_importance(gbm, height = 0.5, figsize = (8,16))

    上位3項目がボストンの家賃に関わるのは、納得ができると思います。

    このことから、違和感のないモデルができていると判断できます。

    決定木の可視化

    次に、決定木を確認してみます。

    決定木を見ることで、リバースエンジニアリングに繋がることはあまりありません。

    ここから先は、「graphviz」のインストールが必要となりますが、興味のある方は調べてみてください。

    1# 決定木の分岐の可視化
    2# 最後の数字でleaf番号を指定
    3lgb.create_tree_digraph(gbm, 1)

    LightGBM の決定木が「Leaf-wise」となっていることが確認できました。

    重要度の高い特徴量が先頭に集まっていることが確認できます。

    XGboost との比較

    最後に、上記データを用いて「LightGBM」と「XGboost」を比較しました。

    回帰モデル予測精度(RMSE)計算速度
    LightGBM3.283275 ms
    XGboost3.768355 ms

    今回は、計算時間に大きな差が出ませんでしたが、データ数が少ないためと考えています。

    数万行を超えるデータの場合は、分単位で差が出ることを確認できているので、皆さんもぜひ試してみてください!

    さいごに

    以上となりますが、どうだったでしょうか?

    簡単なコードで強力な回帰ツールを扱うことが可能となるので、各自、色々なデータに使ってみてください。

    今回は、ハイパーパラメータにデフォルト値を使っています。

    ブースティング系は、ハイパーパラメータの調整による精度向上分は小さいと言われており、特徴量追加等が有効であると言われています。

    インターネットなどで調べると、色々な工夫が出てきますので、理解を深めていただければと思います。

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