コンピュータの「大きさ」の歴史
コンピュータのサイズはどう進化した?
どんどんスリム&軽量化していく現代のパソコン。
実は、黎明期のコンピュータは、今の姿からは想像もつかない巨体でした。
デスクの上に置くなんてとても出来ない、まさに恐竜サイズのデカさだったのです。
それに比べれば、今のパソコンなんて可愛いペットのようなもの。
今回は、「ハードウェアの大きさ」にフォーカスして、コンピューターの今と昔を比べてみようと思います!
世界初のコンピューターはもはや倉庫!
ENIAC
世界初のコンピューター(電子計算機)は、1945年にアメリカで誕生した「ENIAC」です。
稼働を開始したのは翌年からですが、当時は電気製品に真空管を利用していた時代。
この ENIAC にも、約18,000本もの真空管が使用されていました。
ちなみに、当時のテレビに使用されていた真空管はおよそ20本ほど。
ENIAC の大きさがいかに規格外か、何となく想像できますよね。
コンピューターというよりも倉庫
そんな巨体を誇る ENIAC の全容はこちら!
幅 | 30m |
高さ | 2.5m |
奥行 | 1m |
重量 | 30トン |
これを見ればおわかりの通り、ENIAC 設置には倉庫1棟分のスペースが必要でした。
処理能力は電卓以下
ちなみに、肝心の処理能力はというと、1秒間に足し算が5,000回できるレベル。
現在の電卓以下のスペックですが、これでも当時は最速の計算機でした。
1950~1960年代:倉庫からワンフロアへ
EDVAC
ENIAC の次に登場したのは、1952年にアメリカで開発された「EDVAC」です。
こちらは一部をダイオードでまかなったため、真空管は 約6,000本、重量7,850kg と、ENIAC から大幅にサイズダウンしました。
消費電力も 56kw まで減ったものの、それでも設置面積は約46㎡。
やはりワンフロア分のスペースが必要でした。
設置スペースより深刻な問題が…
しかし、設置スペースの確保よりも大変だったのは、オペレーションだったとのこと。
24時間稼働させるためには、多くの人員が必要でした。
スタッフは8時間交代でシフトを組み、操作に当たっていたそうです。
IBM System/360
出典:Wikipedia
続いて時代の寵児となったのは「IBM System/360」。
1960年代半ばに登場したメインフレームコンピューター(大型コンピュータ)です。
何部屋も見回りして動作チェック
メインフレームは、コンポーネントの構成によっては、一部屋分のスペースが必要となるシステムです。
しかし「IBM System/360」のような初期のメインフレームは、一部屋だけでは足りず、複数の部屋に機器を配置していました。
1970~2000年代:ワンフロアからデスクの上へ
1970年代に入るとマイコンが出現し、そこからパソコンの歴史がはじまります。
ここでようやくワンフロアを占拠していたコンピューターが、個人のデスク上に収まるサイズになってきました。
デスクトップパソコン
出典:Wikipedia
1979年、 NEC が「PC-8001」をリリースしました。
これが、商業的に成功した国産初のパソコンだと言われています。
以下の4点を備えた、デスクトップパソコンのセットでした。
- キーボード付き本体
- カラーディスプレイ(CRT)
- フロッピーディスクドライブ
- 拡張ユニット
ディスプレイの進化
当時のディスプレイはブラウン管なので、かなり奥行きがありました。
そのため、デスク上といっても広いスペースが必要で、パソコン用ラックに設置する人も多くいたようです。
現在のディスプレイは、「液晶」や「有機EL」が主流なので、CRT と比べれば劇的なスリム化を果たしているといえますね。
ノートパソコン
出典:Wikipedia
実は、ノートパソコンは日本が元祖!
1989年に東芝が発売した「Dynabook J-3100SS」が世界初のノートパソコンです。
A4 ファイルサイズ、重量は 2.7kg という画期的な小型化でした。
2000年代から脚光を浴びる
2000年代に入ると、デスクトップ型に変わり、ノート型が主流になってきます。
当初はサブ機として使われることが多かったですが、現在は CPU の性能も格段にアップ。
ただ、「充電の手間」や「衝撃への弱さ」などデメリットは、いまだに存在します。
でも、今の時代、持ち運びができないことは考えられないでしょう。
恐竜のように大きかったコンピュータは、今は手軽に持ち運んで、どこでも触れるようになったのです!
さいごに
今回は、「コンピューターの大きさ」にスポットを当てて、今と昔とを比べてみました。
今や、コンピュータは、スマホのような手のひらサイズにまで小さくなりました。
最初にコンピュータを考えた人は、ここまで小さくなることを予測していたでしょうか…
しかし、進化というのは我々の想像を遥かに超えてくるのが、世の常。
古代から生物は環境に合わせて進化を遂げてきましたが、コンピュータもそれと同じです。
こちらの記事もオススメ!
2020.08.04エンジニアの働き方 特集社員としての働き方社員としてのエンジニアの働き方とは?ライトコードのエンジニアはどんな働き方をしてるのか、まとめたいと...
2020.07.27IT・コンピューターの歴史特集IT・コンピューターの歴史をまとめていきたいと思います!弊社ブログにある記事のみで構成しているため、まだ「未完成状態」...
2020.07.17ライトコード的「やってみた!」シリーズ「やってみた!」を集めました!(株)ライトコードが今まで作ってきた「やってみた!」記事を集めてみました!※作成日が新し...