被害額100億円以上のサイバー犯罪!?
天才ハッカー・マックスバトラーの生い立ち
ハッキングとは、他人のコンピューターへ不正にアクセスをおこなう行為で、コンピューターの知識を隅々まで熟知する必要があります。
マックスバトラーは、コンピューターの才能が有り、彼が生まれた環境もコンピューターの知識を付ける上で非常に優れていました。
幼いころからコンピューターに触れる
マックスバトラーは、1972年7月10日にアメリカのアイダホ州メリディアンで生まれました。
父であるロバートバトラーは、ベトナム戦争から帰還後は、コンピューター販売の代理店を経営していました。
そのことにより、生まれたときからコンピューターに触れ合う環境で育ちました。
そのため、当たり前のように、プログラミングを覚え始めます。
その時、なんと8歳でした。
成長と共にコンピューターの才能を開花させる
めきめきとプログラミングスキルを伸ばしたマックスバトラーは、高校生になると政府のコンピューターに侵入できる程の知識を身に着けていました。
この頃にはコンピューターに関してかなり精通していました。
自分でも「幼いころからコンピューターギークだった」と後に、アメリカのドキュメンタリー番組内にて語っています。
コンピューターギークと言えば、内向的で「ダサい」「オタク」のようなイメージがあります。
しかし、彼の身長は約198センチと非常に恵まれた体格をしており、不良生徒に絡まれても物怖じしない気の強い一面がありました。
ハッカーについての補足
ちなみに、「ハッカー」とは、コンピューターの知識を隅々まで熟知した高度な技術者に対して、尊敬の意味を込めて呼ばれる名称です。
そして、他人のコンピューターへ不正にアクセスするなど、知識の悪用をする人に対してはクラッカーと呼びます。
マックスバトラーは、その両方の時代があったため、この記事ではハッカーと呼んでいます。
ハッカースキルがありすぎてFBIからスカウト
1997年、25歳になったマックスバトラーは、カルフォルニア州サンフランシスコの、とあるゲーム会社のプログラミングアドバイザーに就いていました。
成績は非常に優秀。
この会社で、さらにハッキングの技術と知識を深めました。
しかし、攻撃的な性格のマックスバトラーは、ライバル会社のコンピューターにハッキングを仕掛けることもありました。
この頃になると「自身にハッキング出来ないものはない」と豪語し、世界で1番のハッカーになりたいと考えるようになっていきます。
本格的にハッカーを目指したのはFBIが原因?
ある日、マックスバトラーの家に、突然 FBI がやってきます。
日常的にハッキングを繰り返していた彼は、遂に逮捕されると覚悟しました。
しかし…!
訪ねてきたFBI捜査官は、マックスバトラーを逮捕するためにやってきたわけではありませんでした。
むしろ「ハッキング技術を活かして、サイバー犯罪の検挙に協力してくれないか」とマックスバトラーをスカウトしに来たのです。
彼のハッキング能力は、既に業界では有名となっていたのです。
マックスバトラーはこの依頼を承諾し、FBI所属のホワイトハッカーとして活動する事となりました。
FBIの仕事を確実にこなす
FBI所属のホワイトハッカーとして最初の依頼は、電話会社をハッキングし電話回線を悪用している犯罪者のアジトを突き止めるというものでした。
この捜査で結果を出せずにいたFBIでしたが、マックスバトラーは、いとも簡単に犯罪者のアジトをあぶりだします。
その後も、たくさんの犯罪者情報をFBIへ提供し、サイバー犯罪の検挙に大きく貢献しました。
闇のハッカーへと堕ちる
マックスバトラーは、FBIの捜査に協力する過程で、犯罪者がどのような手口を使うか知ることになっていきました。
そして中には、自分より低いコンピューター技術で大金を得ている犯罪者も多く存在しました。
この出来事から、マックスバトラーは仕事に不満を持つようになっていきます。
彼がその気になれば、免許書の違反履歴を消したり、銀行のセキュリティシステムへハッキングをおこない、自身の口座残高を書き換える事も可能だったからです。
闇のハッカーとして生きていく
FBIに協力するだけでは大金が得られないと考えていた頃、一般人のクレジットカードが売買されている闇サイトの存在を知ります。
ハッキングの知識を悪用して、一般人のクレジットカード情報を盗み闇サイトへ流してみることにしました。
すると、マックスバトラーが流した情報はすぐに売れ、自身がFBIで働いていた以上の報酬を得ることになります。
これに味を占めた彼は、闇ハッカーとして生きていこうと考えます。
詐欺集団と手を組みアイスマンと名乗る
マックスバトラーは、偽造クレジットカードを作って売ろうと考えます。
しかし、カード情報を抜き出す事は出来ても、偽造カードを作る技術はありません、
そこで、様々な偽造カードを販売している詐欺集団のリーダーと手を組むことにしました。
そして、「カーターズマーケット」という偽造クレジットカード販売をおこなう闇サイトを作ります。
そして、カード会社をハッキングし、データを抜き取り、そのデータを別の偽造カードに入れて売りさばきました。
この頃に、マックスバトラーは「アイスマン」と名乗り、業界でさらに名乗りを上げる事となります。
同業のライバルサイトを全て潰す
偽造カード販売で利益を得ていたマックスバトラーでしたが、当時同じような悪行で稼いでいるサイトは他にも5つありました。
そこで、「ライバルサイトを潰せば、もっとカーターズマーケットの収益を上げれる」と考えました。
そして、彼は、他にあった5つのサイトへハッキングを実行しました。
そして、5つのサイトを全滅。
閉鎖に追いやったことで、顧客が「カーターズマーケット」に流れこみ、さらに大きな利益を得ることになりました。
史上最大の被害を出したサイバー犯罪
着々と仕事の規模を拡大し、次はヨーロッパへ進出しようと考えます。
しかし、仕事上の右腕ともいえるクリスアラゴンが身を引いたため、代わりに信頼できる人物を探さなければいけませんでした。
そこで、偽造カードに精通しており、裏サイトにも詳しい人物として1人の男と手を組みます。
ですが、実はこの男が FBIのスパイでした。
そのため、カーターズマーケットの運営者がマックスバトラーであると FBI に密告されてしまいます。
そして、2007年9月。
遂に、マックスバトラーは逮捕されてしまいました。
被害額と刑期はサーバー犯罪史最高
マックスバトラーは裁判にて、サイバー犯罪史上最も重い、懲役13年の判決が課せられます。
被害者へは、2750万ドル(約25億円)の損害賠償が命じられました。
しかし、実際の被害総額は100億円以上にものぼると考えられています。
現在は出所している可能性が高い
刑務所でも、ドローンを使って密輸をおこなっていた疑惑がありましたが、起訴状を否認したため真偽は不明となっています。
そんなマックスバトラーですが、現在は刑務所から出所している可能性が非常に高いようです。
Federal Bureau of Prisons(連邦刑務所局)のデータベースで名前を検索すると、同姓同名の人物で特徴も似通った男性が釈放されています。
釈放予定の時期も重なるため、本人である可能性は非常に高いと考えられています。
さいごに
サイバー犯罪に手を染めてしまったマックスバトラーでしたが、過去にはFBIにスカウトされるほど優秀な人材であったことは間違いありません。
マックスバトラーがその才能を善い方向に使うことが出来れば、素晴らしいエンジニアになり、有名サービスを開発していたかもしれません。
また、ネット犯罪の減少にもつながった可能性もあります。
執筆時点で彼は、47歳。
もし、今後人々の前に現れることがあるのであれば、社会に貢献する形で現れていただきたいものです。
それが、罪への償いになるかもしれません。
こちらの記事もオススメ!
2020.08.04エンジニアの働き方 特集社員としての働き方社員としてのエンジニアの働き方とは?ライトコードのエンジニアはどんな働き方をしてるのか、まとめたいと...
2020.07.27IT・コンピューターの歴史特集IT・コンピューターの歴史をまとめていきたいと思います!弊社ブログにある記事のみで構成しているため、まだ「未完成状態」...
2020.07.17ライトコード的「やってみた!」シリーズ「やってみた!」を集めました!(株)ライトコードが今まで作ってきた「やってみた!」記事を集めてみました!※作成日が新し...