量子コンピュータを紐解こう!
それじゃあ「量子コンピュータとは何ぞ?」の話、いってみよかの~
量子コンピュータって?仕組みと可能性を探る
最近話題の「量子コンピュータ」は、一体どんなもので、何ができるのでしょうか?
また、量子コンピュータの未来には、何が待っているのでしょうか?
今回は、そんな量子コンピュータの謎について、探っていきたいと思います!
量子コンピュータの仕組み
「量子コンピュータ」という単語を分解すると、「量子」+「コンピュータ」となりますね。
まずは、このそれぞれの言葉の意味から、理解を深めていきましょう!
量子とは
まず、物質を細かく分割していくと、「原子」に行きつきます。
私たちの体も、もちろん原子の集まり。
原子は、原子核と電子など、もっと細かく分解できますね!
実はこれらは、ただの「粒子」であるわけではなく、「波」にもなります。
このような、二面性をもった存在を、「量子」と呼ぶのです。
量子と言えば、「2重スリット実験」が有名ですよね!
コンピュータとは
コンピュータでは、電気信号の「オン・オフ」を、2進数の「1」と「0」として扱います。
つまりコンピュータとは、全ての情報を、「1」と「0」のデータにして計算している機械なわけです。
ちなみに、この「1」と「0」の情報の単位は、「ビット」と呼ばれています。
量子コンピュータとは
量子コンピュータも、もちろんコンピュータの仲間です。
計算の基本単位は、通常のコンピュータとは違い、「量子ビット」と呼ばれてます。
まず、通常のビットの状態は、「0」か「1」のどちらかですよね?
ところが、量子の世界では、次のように3つの状態があるのです。
- 「0」の状態
- 「1」の状態
- 「0」と「1」が重ね合わさった状態
量子が持つ波の性質により、「0であり1でもある」となるわけですね!
つまり、あらゆる状態の量子ビットを操作して、量子コンピュータは計算をするのです。
量子ビットの計算も、足し算や掛け算などの、基本的な演算回路が備わっています。
量子コンピュータの計算
従来のコンピュータでは、同じデータを入力して同じ計算を行えば、必ず同じ結果が出ますよね?
ところが、量子コンピュータでは、結果が計算するたびに変化することがあります。
量子コンピュータは、波の状態で計算し、粒子の状態で結果を出します。
曖昧な波の状態を観測して、粒子の状態として確定するときに、結果が変動するのです。
ただ、全くバラバラで、意味のない答えになるわけではありません。
結果の可能性が、「1~4」まであるとして、
- 約70%の確率で「2」が出る
- 「1」は絶対に出ない
といったように、明確な傾向があるのです。
量子コンピュータが出す答えは、あくまで確率的なもの。
とはいえ、量子の性質をうまく使えば、超高速な計算ができるようになります。
量子コンピュータで変わる社会
量子コンピュータでは、これまで解けなかった問題を、サクッと解いてくれるかもしれません。
というのも、現在のスーパーコンピュータでも1万年かかる問題を、量子コンピュータでは200秒ほどで計算できてしまうため。
恐ろしいほどの進化ですね…!
では具体的に、どんな変化があるのかも見ていきましょう!
材料計算
材料計算とは、新素材を開発するための計算のことです。
物質中にある電子の動きを、コンピュータを使って計算します。
この計算にかかる時間は、今までのコンピュータだと、なんと年単位。
かなりの時間を要します…。
ちなみに、電子は量子としての性質を持つので、量子コンピュータとの相性はバッチリ!
つまり、材料計算を量子コンピュータで行えば、かなりの時間短縮が期待できるわけです。
量子コンピュータによって、
- 大容量かつ小型のバッテリー
- 強くて耐久性が高い建築材料
- 新薬の開発
などの開発が、短期間できるようになれば、社会に与える影響は大きくなりそうですね!
機械学習
ここ数年、注目を集めているのが、「機械学習」や「深層学習(ディープラーニング)」です。
顔識別を本人認証に利用したり、歩行者や障害物を認識して車を自動運転できるようにしたりと、その活用範囲は広がりつつありますね!
ただ機械学習では、膨大なデータが必要になり、計算量もかなりのもの。
その計算を効率的に行うのに、量子コンピュータが役立つわけです。
量子コンピュータを使えば、少数の量子ビットで、多くのパターンを表せます。
結果として、計算量を少なくすることができるわけですね!
社会問題を解く
量子コンピュータの爆速な計算能力を活用すれば、社会に存在する問題も、良い方向に導いてくれるかもしれません。
たとえば、量子コンピュータが叶える問題解決として、
- 路線やルート検索の最適化
- 道路の混雑解消
- 金融資産などのポートフォリオの最適化
- 情報セキュリティの向上
などがあります。
とはいえ、まだこれからの技術でもあるので、実用化するには、もう少し時間がかかりそうです。
さいごに
今回は、量子コンピュータの仕組みや、社会に与える可能性について紹介してきました。
「量子」の奇妙な性質が、これからのコンピュータの技術を、大きく進歩させることになりそうですね!
量子コンピュータによって、どんな未来が実現されるのか、今からワクワクします!
こちらの記事もオススメ!
2020.07.17ライトコード的「やってみた!」シリーズ「やってみた!」を集めました!(株)ライトコードが今まで作ってきた「やってみた!」記事を集めてみました!※作成日が新し...
2020.07.27IT・コンピューターの歴史特集IT・コンピューターの歴史をまとめていきたいと思います!弊社ブログにある記事のみで構成しているため、まだ「未完成状態」...
2020.08.04エンジニアの働き方 特集社員としての働き方社員としてのエンジニアの働き方とは?ライトコードのエンジニアはどんな働き方をしてるのか、まとめたいと...