ファイル共有ソフトの歴史と今後
一昔前にニュースで問題になっていたというのは知っていますね
実はな、今もそれに近いサービス使っておるかもじゃぞ?
むむむ…なんだろう
今回は、このファイル共有ソフトの歴史と今後を、紐解いていこうかの!
ファイル共有ソフトの歴史を紐解こう!
ファイル共有ソフトとは、専用のネットワークを使って、不特定多数のPC間でファイルを共有できるソフトのこと。
誰でも簡単に、ファイルをアップロードしたりダウンロードしたりできるため、一時期は絶大な人気がありました。
さらに、それにかかる費用は無料であることが大半で、違法なファイルの共有に利用されてしまうことも…。
今回は、そんなメリットとデメリットが混在する、ファイル共有ソフトの「歴史」や「これから」について、紐解いていきたいと思います!
ファイル共有ソフトの歴史
初代ファイル共有ソフトの「Napstar」
1999年の1月、音楽ファイル共有ソフトとして産声を上げたのが、アメリカ製の「Napstar」。
2000年代初頭からは、ブロードバンド接続の普及が加速し、Napstar も広く普及していきました。
ただ、日本語対応ではなかったため、日本国内での利用率は高くはなかったそうです。
また Napstar は、次章で紹介する「P2P」モデルの先駆者でもあり、今でもその技術は使われています。
その後、著作権問題の裁判で敗訴し、2000年7月にはサービスを終了してしまいました。
日本に初上陸したファイル共有ソフト「WinMX」
2001年にリリースされ、日本で初めて利用が広まったのが、チャット機能まで搭載した「WinMX」です。
ただ同年の11月に、またもや著作権の問題で、利用者が逮捕される事態に…。
その後は、ファイル共有よりもチャット機能の方が、盛んに利用される状態となりました。
それでも、ACCSの実態調査では、2005年まで1位を守り続けていたのです。
ところが、2005年9月にアメリカの最高裁で、著作権問題に全面敗訴。
結果として、公式サーバーは閉じることとなったのです。
その後は、有志たちにより復活を遂げ、コミュニティーが細々ではありますが、継続しているようです。
日本製で国内最多となった「Winny」
日本で一番有名なファイル共有ソフトとなったのは、2002年の5月にリリースされた、日本製の「Winny」。
47氏こと、「金子勇(当時東大特任助手)」によって開発されました。
Winny は、匿名ファイルとして共有できるため、多くの注目を集めます。
またこの時期は、先ほどの WinMX の著作権問題で逮捕者が出たことから、国内では Winny に乗り換える人が続出!
2006年には、WinMX の利用率を超え、国内で最も利用されているファイル共有ソフトとなったのです。
全然記事と関係ないですが、こんな歌もあるくらい有名になりました(※最後までお聞きください)
またもや問題発生し、開発者までも…
しかしここでも、
- 著作権問題
- 重機密情報が Winny 経由で漏洩
- 尖閣諸島の事件動画が YouTube で削除後も Winny で拡散
など、数々の問題を抱えることになります。
利用者はもちろん、開発者の金子氏までもが逮捕され、Winny はどんどんと衰退していったのでした。
それでも Winny は、今でも推定4万人が使っているようです。
「P2P」という技術
P2Pとは
ファイル共有ソフトで使われている技術の「P2P」。
P2P とは「peer to peer」の頭文字を取った略語で、PC 同士がサーバーを介さずに、直接やり取りができる仕組みのことです。
この技術は、今でも使われていて、応用することでブロックチェーンにも活用されているのだとか!
実は、無料通話ができる LINE や初期の Skype も、P2P 技術が使われていました。
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P2P技術の種類
単に P2P といっても、ファイル共有ソフトによって、使われている種類は様々。
ここでは、P2P の種類を3つほど見ていきましょう!
ピュアP2P
ピュア P2P とは、データのある場所をサーバーで管理せずに、ユーザー端末で分散管理してやり取りする方式です。
データを探すときは、参加中のユーザー端末で協力し合って、分散して持つデータから探します。
この技術が使われているファイル共有ソフトには、Winny がありました。
ハイブリットP2P
ハイブリット P2P とは、データのある場所はサーバー側で管理させ、その後のやり取りはユーザー端末同士でやり取りする方式です。
ただし、データ自体を管理するわけではありません。
この技術が使われているファイル共有ソフトには、WinMX や Napstar がありました。
スーパーノード型P2P
スーパーノード型 P2P とは、ハイブリット P2P でいうサーバー側の仕事を、選ばれたハイスペックマシン(スーパーノード)が行う方式です。
この選ばれたハイスペックマシンは、もちろんユーザー端末のこと。
ハイブリット P2P のサーバーと異なり、この方式は、ノード数を状況に合わせて自動調節することができます。
結果として、サーバーよりも早いデータのやり取りが、実現できたわけです。
この技術が使われているファイル共有ソフトには、ここでは紹介していませんが、KaZaA があります。
ファイル共有ソフトが抱える問題
著作権の問題
ここまで見てきたとおり、ファイル共有ソフトには、逮捕者が出るほどの著作権問題が頻発しています。
これは、ファイル共有ソフト側の問題というより、利用者側の問題…。
ファイル共有は、会社データなど合法なものなら、なにも問題ありません。
ただし、映画や音楽ファイルの海賊版などは、違法なものとなります。
ウイルス感染の問題
ファイル共有ソフトを利用するときに、厄介な問題なのが、この「ウイルス感染の問題」。
ウイルスに感染することで、大切なデータが盗み取られるかもしれないのです…。
実際、Winny や Share といったファイル共有ソフトでは、個人情報の漏洩が頻繁に発生。
ただし、ユーザー自身でウイルス対策をしていないことが、この状況を生み出した要因のひとつでもあります。
個々でセキュリティ意識を高めて、長く更新がされていないファイル共有ソフトは避けるなど、しっかりと対策をしていきましょう!
今後どうなる?ファイル共有ソフトの未来
ファイル共有ソフトの最大の特徴である、大容量ファイルを簡単に共有できる便利さは、なかなか捨てることができません。
それは、プライベートであっても、仕事においても同じこと。
そこで注目されているのが、「オンラインストレージサービス」なわけです。
例えば、個人な DropBox や GoogleDrive があります。
法人なら、セキュアストレージや SPACE PORTER などがありますね!
このタイプは、セキュアな環境でデータを管理・共有できるので、導入している人も多いはず。
今後は、5G も始まり、さらに共有環境は良くなることでしょう!
さいごに
ファイル共有ソフトの歴史や今後について、紹介してきました!
ファイル共有ソフトは、その使い方や仕組みを理解すれば、大きな問題にはなりません。
たしかに、頻繁に使うのは怖いかもしれませんが、今ではオンラインストレージという代替手段もあります。
状況に合わせて、最適な手段を選んでいってくださいね!
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