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    2021.04.16

    エンジニアになろう!

    第1回】Djangoで日記アプリを作ろう~環境構築編~

    【第1回】Djangoで日記アプリを作ろう~環境構築編~

    Django は、Web アプリケーション開発を支援してくれる、Python 製のフルスタックなフレームワークです。

    【Django:公式サイト】
    https://www.djangoproject.com/

    認証機能や管理サイトなど、Web アプリケーションを作るのに必要な機能が、一通り揃っているのが特徴。

    サードパーティ製の拡張機能も充実していて、追加のアプリケーションやミドルウェアという形で、リッチな機能を簡単に導入できます。

    さらに、開発効率の高い Python を採用しているので、高速なアプリケーション開発も期待できます。

    本連載では、「日記アプリ」を作成しながら、Django の使い方を学んでいきましょう!

    Djangoのアーキテクチャ

    まず初めに、Django アプリケーションのアーキテクチャ全体像と、その中で特に重要な「MVT」という考え方を学びます。

    アーキテクチャの全体像

    Djnago に限らず、アプリケーションの基本的な役目は、

    1. クライアント(Web ブラウザなど)からのリクエストを受け取る
    2. リクエストより「何かしらの処理」を施し、レスポンスを作成する

    ことです。

    その役目を果たすアーキテクチャ(設計)には、色々なものがあります。

    その中でも Django では、以下のような仕組みを採用しているのです。

    仕組み

    リクエスト受信(図の①)から、レスポンス送信(図の⑦)までの流れを掴むために、重要なコンポーネントだけを厳選しています。

    では早速、図の①から⑦までの流れを、追っていきましょう!

    1. ① クライアントの HTTP リクエストは、Web サーバーなどを介し URL ディスパッチャへ
    2. ② URL とそれに対応する処理の一覧表が「URLConf」
    3. ③ 実際の処理内容が記述されたプログラムが「View」
    4. ④ View は、Model と呼ばれるデータを取得
    5. ⑤ Template と呼ばれる HTML ファイルを取得
    6. ⑥ レスポンスは、URL ディスパッチャに渡される
    7. ⑦  ミドルウェアや Web サーバーを介してクライアントに返却

    ①の URL ディスパッチャでは、 リクエストが示す URL に対応した「処理」を探します。

    ④⑤を取得後は、Template に埋め込み、View はテンプレートを含むレスポンスを作成していきます。

    具体的に例えると…

    さて、簡単な具体例で、先ほどの流れをもう一度辿ってみます。

    例えば、「マイページが見たい(例:http://~~~/mypage)」という、リクエストを受信したとします。

    URL ディスパッチャは、まずそのマイページの URL に対応する、View を呼び出します。

    その後、ユーザー情報を意味する Model から、ユーザーネームや性別などのデータを取得。

    そのデータを、Template に埋め込んで、マイページ HTML ファイルを含んだレスポンスを返却します。

    なんとなくでも、流れが掴めれば OK です。

    MVT

    Djnago のアーキテクチャの中で、特に重要なのが「Model・View・Template」という、3つのコンポーネントです。

    1. Model」は、データの定義をする役目があり、データベースと密接に関わります。
    2. View」は、リクエストに対応する処理の内容を記述します。
    3. Template」の実体は「変数を含んだ HTML ファイル」です。

    「Model・View・Template」という、上記3つのコンポーネントに基づいて開発をしていくことから、Django は「MVT アーキテクチャ」と呼ばれます。

    実際の開発では MVT に加えて、「URL Conf」の記述が必要です。

    さらに、入力フォームの作成が必要な場面では、「Form」という別の概念も登場します。

    MVT と URL Conf、そして時々 Form …。

    基本的には、上記5つのコンポーネントを実装するという意識を持てば、Django の開発はスムーズに進むでしょう。

    日記アプリの開発を始めよう!

    では、Django のアーキテクチャが理解できたところで、いよいよ日記アプリの開発に取り掛かっていきます。

    今回は、環境構築をメインに行っていきましょう!

    仮想環境の作成とDjangoのインストール

    まずは、作業用ディレクトリとして、「djangotutorial」を作成します。

    作業用ディレクトリを作成する場所は、任意で OK です。

    1# 作業用ディレクトリの作成
    2mkdir djangotutorial
    3
    4# 作業用ディレクトリへ移動
    5cd djangotutorial

    続いて、仮想環境を作成し、Django のパッケージを pip 経由でインストールしていきましょう。

    1# 仮想環境の作成(仮想環境作成に必要なプログラムは.djangoenvディレクトリに格納)
    2python3 -m venv .djangoenv
    3
    4# 仮想環境の起動
    5source .djangoenv/bin/activate
    6
    7# Django(ver. 3.1.2)のインストール
    8pip install django==3.1.2

    pip show Django を実行すると、インストールした Django パッケージの情報が、以下のような具合で確認できます。

    1Name: Django
    2Version: 3.1.2
    3Summary: A high-level Python Web framework that encourages rapid development and clean, pragmatic design.
    4Home-page: https://www.djangoproject.com/
    5Author: Django Software Foundation
    6Author-email: foundation@djangoproject.com
    7License: BSD-3-Clause
    8...(省略)...

    プロジェクトの作成

    Django で Web アプリを作成する場合には、まず「プロジェクト」と呼ばれるディレクトリを作成しましょう。

    そのプロジェクトの中に、なるべくまとまった機能がある「アプリケーション」を、たくさん詰め込みます。

    このように、一つの大きな Web アプリケーション(=プロジェクト)を作るというのが、Djnago のスタンスとなっているわけですね!

    例えば、「日記の投稿や編集に関するアプリケーション」「ユーザー登録に関するアプリケーション」というように、機能単位でアプリを分割します。

    では早速、プロジェクトとなるディレクトリを作成していきましょう!

    まずは、日記アプリを作成するので、「mydiaryproject」という名前のディレクトリを作成します。

    1# プロジェクト用ディレクトリの作成
    2mkdir mydiaryproject
    3
    4# プロジェクト用ディレクトリへ移動
    5cd mydiaryproject

    続いて、mydiaryproject に、Djnago プロジェクトに必要な構成ファイルを作成します。

    以下のコマンドを実行しましょう。

    1# プロジェクトの作成
    2django-admin startproject config .

    実行すると、mydiaryproject ディレクトリの中に、ファイルやディレクトリが新規に作成されたかと思います。

    「django-admin startproject config .」って?

    ここで、 django-admin startproject config . コマンドの意味を概説しておきます。

    django-adminDjnago の管理コマンドラインユーティリティ
    startprojectプロジェクトの構成ファイルを作成する、django-admin のサブコマンド
    configmydiaryproject ディレクトリ配下にできた、config ディレクトリに対応
    (※ここで指定した名前のディレクトリが自動で作成
    .config ディレクトリと manage.py を配置するディレクトリを指定
    (※今回は、「mydiaryproject ディレクトリ」を指定)

    django-admin は、一つのプロジェクトのみを操作する状況では、後ほど出てくる manage.py を利用することが多く、プロジェクト作成時以外で使う機会は滅多にありません。

    また config といったように、指定した名前のディレクトリが自動で作成され、その中にプロジェクトに関する設定ファイルなどが格納されます。

    ここでは、「config」としておくのが無難でしょう。

    プロジェクトの中身を確認してみよう

    現在プロジェクトの中は、以下のような構造となっています。

    1.
    2└── mydiaryproject
    3    ├── config
    4    │   ├── __init__.py
    5    │   ├── settings.py
    6    │   ├── urls.py
    7    │   └── wsgi.py
    8    └── manage.py

    config ディレクトリは、Python パッケージとして扱われます。

    このディレクトリには、Python パッケージであることを示す「__init__.py」をはじめ、様々なファイルが入っています。

    settings.pyプロジェクトの設定ファイルで、データベースの接続設定やアプリケーションの登録などを記載
    urls.pyURL を設定するファイルで、URLConf のこと
    wsgi.pyWeb サーバーとDjangoアプリを連携させる WSGI(Web Server Gateway Interface)に関する記述がある
    ( WSGI が、読み込む設定ファイルの指定など)

    上表の「urls.py」については、次回の「日記アプリのトップページを作成」で、詳しく説明します。

    また、ローカル環境での開発時に、 WSGI を意識する必要はあまりありません。

    サーバーへのデプロイといったリリース時に、考えていけばよいと思います。

    Djangoプロジェクトを起動しよう

    最後に、Django プロジェクトを起動してみましょう!

    ちなみに Djnago には、簡易的な開発用 Web サーバーが付属しています。

    なので、プロジェクトの動作を、ローカル環境で確認することができるのです。

    早速、以下のコマンドを実行してみましょう。

    1python3 manage.py runserver

    ブラウザより、「http://127.0.0.1:8000/」にアクセスしてみてください。

    以下のような画面が表示されれば、Django の起動が成功しています!

    Django の起動画面

    第2回へつづく!

    今回の記事のポイントは、以下の3つです。

    1. Djnago のアーキテクチャ
    2. Djnago プロジェクトの作成コマンド
    3. Django プロジェクトの起動コマンド

    特に MVT は、本連載で幾度となく登場します。

    「Model・View・Template」の役割は、確実に理解しておきましょう!

    次回は、View とTemplate を実装して「日記アプリのトップ画面」を作成していきたいと思います。

    では、次回もお楽しみに!

    第2回はこちら!

    【第2回】Djangoで日記アプリを作ろう~トップ画面編~2021.04.23【第2回】Djangoで日記アプリを作ろう~トップ画面編~【第2回】Djangoで日記アプリを作ろう~トップ画面編~前回は、Django のアーキテクチャの全体像を学び、日記ア...

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