なぜネットフリックスはつい観ちゃう?
最近はワンピースの実写化とか
あれは映画顔負けの凄まじい制作費をかけておる
では今日はネットフリックスについて話をしようかの~
リード・ヘイスティングス、起業するも6年後に売却
Netflix 創業者であるリード・ヘイスティングスは、アメリカボストンの上流階級の家庭で、1960年に生まれ、メイン州にあるボウディン大学に進み数学の勉強に夢中になります。
卒業後は平和部隊に入隊し、アフリカのスワジランドで3年間数学教師を務めました。
帰国後はカリフォルニア州のスタンフォード大学で、コンピューターサイエンスの修士号を取得しました。
そして、アダプティブ・コーポレーションでソフト開発の仕事をしますが、3年後に退社してしまいます。
起業
その後、1991年にピュアソフトウェア社を設立。
この会社ではトラブルシューティングツールを開発し、4年後には株式上場するまでに成長します。
1992年に、ソフト会社のエイトリア&インテグリティを買収します。
そこで、ネットフリックスの共同創業者となるマーク・ランドルフと出会います。
リード・ヘイスティングスは、ピュアソフトウェアを1997年売却し、マーク・ランドルフと共に数か月後に会社を去りました。
会社の売却により得たお金でマーク・ランドルフは「アマゾンのようなサービスができる事業はないか」と2人でアイデアを出し合い、考えました。
当時まだなかったネットを使ったDVDレンタル事業を始めることにしました。
そして、マーク・ランドルフら事業計画チームによって名付けられたネットフリックスを1997年にスタートしたのです!
本気を出した定額料金システム
始まったばかりのネットフリックスでは、マーク・ランドルフがCEOであり、リード・ヘイスティングスはあまり事業には関わりませんでした。
ネットで受け付けDVDを郵送するサービスの料金システムは、既存のレンタル店とはあまり変わりがなく、思うように売上が伸びず、アマゾンに会社を売却する話にもなったほどでした。
そこで心機一転!
リード・ヘイスティングスがCEOとなり、サービスの改革をはじめました。
まず行ったことは、定額制の料金システムの導入。
毎月決まった料金を払えば、DVDは借り放題、送料・手数料無料、延滞料金もなしという驚きのサービスに会員が一気に増えました。
ちなみに、これはリード・ヘイスティングスのアイディアでした。
かつて、「アポロ13」をレンタルした際、返却期限に間に合わず40ドルの延滞料金を支払った苦い経験があったからです。
その後、Netflixを起業するわけじゃが、ネットバブルの崩壊という大きな危機があったんじゃ
社員の3分の1がいなくなったわけじゃが、それにもかかわらず社内には突然、情熱やエネルギーで満ち溢れ、どんどん「アイデア」が生まれるようになったんじゃ。
社員の能力密度が高まり、ヘイスティングス自身も出社するのが待ち切れないほどのワクワク感が生まれたそうだ。
この経験からヘイスティングスは大きな教訓を学んだんじゃ。
優秀な人材は、能力密度が高い環境でこそ真価を発揮するというわけじゃ
その結果、能力の高いメンバーがやる気をなくし、全体のレベルが低下していき、負のスパイラルに陥るわけですか。
なぜ「ピュア・ソフトウエア」が身売りに追い込まれたのか、その原因も同時に理解できんたんじゃ
これが今の「ネットフリックス」の基礎となったわけじゃな
リード・ヘイスティングス、レコメンドエンジンのアルゴリズムに沼落ち
ネットフリックスは、順調に会員数が増え、取り扱う作品も多くなってきました。
そのため、レコメンドエンジンを作ることにしました。
レコメンドエンジンとは、あるルールに基づいてお客さんにおすすめ商品や情報を提示するようにするシステムのことです。
最初の想定では、アマゾンのように協調フィルタリングのレコメンドエンジンにすることを考えていました。
協調フィルタリングは、購入履歴や閲覧履歴のデータからユーザーの嗜好に合ったものを選び出し、おすすめとして提示します。
しかし、これではユーザーの履歴が少なかったり、商品などの方の履歴も少なかったりすると、ユーザーの好みに適合したおすすめを出せません。
そこでネットフリックスは、会員に作品を5段階評価してもらい、それを基にしたレコメンドエンジンを作ることにしました。
2000年「Cine Match(シネマッチ)」と名付けられたレコメンドエンジンが完成し、会員は年々増加し、2006年には400万人を超えました。
年々改良されるシネマッチにより、おすすめ作品から次の作品を観る会員が多くなりました。
さらに精度が上がるレコメンドシステム
リード・ヘイスティングスは、全世界に向けて多額の賞金のコンテストするほど、レコメンドエンジンのアルゴリズムに熱中していました。
そして、2007年からストリーミング配信を開始。
ストリーミング配信では、より精度の高いレコメンドエンジンを作り出すことができました。
- どのパソコン、タブレットなどのデバイスで観たのか
- どのくらい観たのか
- どこで停止したり、早送りしたりしたのか
DVDのオンラインレンタルよりも豊富な会員データを収得できるため、性能が大幅にアップしたのです。
さらには、トップで表示するサムネイル画像も、ユーザーの好みにあったものに変更する機能なども追加し、ますます「ついつい観てしまう」サービスになっていきました。
また、ドラマの一気見などのサービスも展開し、使いやすく満足できる配信会社として他社を圧倒していきました。
オリジナル作品制作でエンターテイメント界を変革
2012年にネットフリックスは、初めてのオリジナル作品である「リリハマー」の配信を開始。
ネットフリックスには、作品を制作する資金も充分にあり、過去から現在までの作品を知り尽くし、レコメンドエンジンにより大衆の求める作品を作り出す力がありました。
2013年に発表した「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の主演俳優のケヴィン・スペイシーや監督のフィンチャーは、過去の作品を観た会員から多くの支持がある人たちでした。
このドラマはヒットし、長編ドラマやドキュメンタリーなどもネットフリックスは制作するようになりました。
そして、アカデミー賞やエミー賞などにノミネートや受賞する快挙も成し遂げました。
テレビと映画、ネット間の枠組みを外し、ボーダーレスに作品を制作するネットフリックスは、ハリウッドやテレビ局に大きな影響を与える存在となっています。
現在のネットフリックスは、全世界190ヶ国以上に配信し、会員数は約2億人を超えるまで浸透し、私達の生活に無くてはならない存在になっています。
ここまで巨大化した後に今度はどう進化していくのか、リード・ヘイスティングスが率いるネットフリックスに目が離せませんね!
ネットフリックスは創業してまだ約20年じゃ。
人間でいえば成人になったばかりだな