Unityでゲームを創るのは簡単?
今度はなに創ったんですか?
モフモフの毛からノミを見つけ出すエキサイティングなゲームじゃ!!
いかにも師匠らしい「斬新な」ゲームですね。
ちなみにゲーム作りに興味あるのですけど、難しいですか?
3分クッキングじゃ!
3人のゲームマニアのゲーム作りから始まったUnity
「Unity」は、モバイルゲーム売上の半数はUnityで作られたゲームと言われている程、よく使用されているゲームエンジンです。
ゲーム機器、スマホアプリ、パソコンなどのプラットフォームにも対応し、現在では任天堂はじめ多くのゲーム会社でも採用されるようになりました。
こんなにも有名なゲームエンジンになった「Unity」ですが、元々は自宅の地下室で3人の若者のゲーム作りから始まったのでした。
デビッド・ヘルガソン
Unity開発者の中のひとりであるデビッド・ヘルガソンはアイスランドに生まれ、10歳の頃からパソコンに触れ夢中になっていきました。
しかし、大学に進学するも、4回の中退を経験。
将来何をしたらよいのか決めかねてしまいますが、夢であったゲーム作りに挑戦する決意をしました。
会社設立も苦難…
2002年、高校時代の友人であったニコラス・フランシスと、ドイツの高校生だったヨアキム・アンテをメンバーに加え、ゲーム作りを始めました。
そして、2004年に「Over the Edge Entertainment(OTEE)」を設立し、オリジナルのPCゲーム作りをスタートさせました!
この頃は会社での収入はまだなかったため、3人はカフェやレストランでアルバイトをしながら、ゲーム制作をする日が続きました。
そして苦労の末、ついに初めてのゲーム「GooBall」が完成。
が、MACにしか対応していなかったこのゲームは大失敗に終わってしまいます…
ゲーム開発の民主化
挫折。ただ、3人はそこから「気付き」を得ました。
ゲーム作りに苦労した経験から、「誰もがゲームを作りやすいゲーム制作環境を整えたゲームエンジンが必要である」と考えました。
当時のゲーム制作は、ゲーム会社が各々のゲームエンジンをオリジナルで作成して使用していました。
もちろん、他社にそのゲームエンジンが原則提供されるようなことはありません。
また、ゲーム制作に関する技術について学べる大学などもほぼない状況でした。
そこで3人は「Democratizing Game Development(ゲーム開発の民主化)」を掲げ、ゲームエンジンの開発に取り組むことになりました。
Unityの誕生
2005年6月、ついにゲームエンジンUnityが公開!
Unity は、WindowsのパソコンやWebブラウザにも対応し、Unity エディターと呼ばれる画面で視覚的に操作できるようにしました。
そのため、2D や 3D のインタラクティブコンテンツのゲームが容易に作れるゲームエンジンとして話題となりました!
2006年には「Apple World Wide Developer Conference」で権威ある「Apple Design Awards」の次点として入賞し、Unityの知名度はぐっと上がりました。
2007年には社名を「Unity Technologies」に変更します。
またデンマークにオフィスを残しながらもカリフォルニア州サンフランシスコを本社としました。
インディーズ系のゲーム制作者をまず取り込んでいったわけですね!
iPhoneの登場で波に乗るUnity
2008年、Unityで作ったゲーム「FusionFall」(カートゥーン ネットワークと韓国のスタジオ Grigon Entertainmentが開発)が800万人のユーザーを集めたことをキッカケに Unity のゲームエンジンとしての実力が広まりました。
また、iPhoneが普及し「アプリ」が一般化することにより、さらにUnityの人気は爆発していきます。
「AppleStore」の登場で、個人で作ったゲームを売り込むことが容易になったためです。
いち早く iPhone のプラットフォームにも対応していた Unity の作戦勝ちとも言えそうです。
それに伴い、需要が一気に高まり会社は急成長することになったのです。
ゲームマニアなら作りたくなるUnityの制作環境
Unityが公開された頃の2000年代のゲームは、ネットゲームの配信も次第に増えていきました。
任天堂がゲームボーイアドバンスを発売し、パソコンからポータブルゲーム機まで多様化していき、ゲーム人口も増えていきました。
そしてその中には、自分でもゲームを作ってみたいと思うゲームマニアは沢山いました。
しかし当時のゲーム制作には「高度なプログラミングの知識」「素材作り」「資金面」などの高いハードルがあり、なかなか踏み出せませんでした。
そのハードルを低くしたのが「Unity」で、ゲーム制作者を支援する仕組みを備えていました。
無料
Unityの魅力は、何と言っても無料でスタートできることです。
個人や小規模な組織では、無料でゲーム制作に必要な機能を使え、パソコンとネット環境があればゲーム制作が始められるようにしました。
あらゆるプラットフォームに対応
Unityが出てくる前は、ゲーム開発者はそれぞれのプラットフォームに応じたゲームを作る必要があり、他のプラットフォームにゲームを移行のための調整作業は手間がかかるものでした。
しかし、Unityは簡単にそれぞれのプラットフォームに対応した形に簡単に整えてくれます。
現在 Unityは、「Windows」「macOS」などのPC、「iOS」や「Android」などのモバイル、「Nintendo Switch」や「PlayStation」などのゲーム機、「Fire TV」などのテレビなどの20以上のプラットフォームに対応しています。
ユーザー同士の情報交換が盛ん
個人でゲーム制作しているとつまずくことが多いですが、Unityは公開当時からより多くの人に親しんで使ってもらうため、ユーザー同士の情報交換を推進していました。
ゲーム会社でのゲーム開発には守秘義務があり、それが公開されたり共有されたりすることは稀です。
ただ、Unity では「質問に回答するサイト」があり、今までにないオープンなユーザー同士の交流が盛んとなりました。
そのことが結果として、ユーザーを増やし、Unity の改善と成長に繋がっていくことになりました。
アセットストア
プログラミング以外は出来ない人向けに、必要なアイテムを無料または有料で入手できるアセットストアを用意しました。
キャラクターをはじめ風景やパーツ、それに効果音やBGM、エフェクトなどゲーム制作者の創造性をサポートするアイテムが豊富にそろっています。
またアセットストアで入手したアイテムを使ったゲームを公開しても支障がない仕組みを作りました。
ちなみに、日本にも2011年Unity Japanが設立されたが、はじめはたった二人しかいなかったんじゃ…
だが今やスタッフは多く増えたんじゃ!
需要の高さをうかがえるのお
スタートから一貫して Unity はユーザー想いのエンジンといえるな!
ゲームだけではない広がるUnity
Unityで作られるゲームは、個人だけではなく今やゲーム会社のような大規模なゲームでも使用されています。
例えば・・・
- どうぶつの森 ポケットキャンプ(任天堂)
- ポケモンGo(ポケモン)
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 スマホアプリ版(スクウェア・エニックス)
- ウマ娘 プリティーダービー(Cygames)
このようにゲーム制作に大きく貢献している Unity ですが、最近ではゲーム制作の分野だけではなく他の分野でも取り入れられています。
映像やアニメーションの制作分野では、制作工程をほとんどUnityのデジタルコンテンツ制作ツールで十分に行うことができ、時間短縮が可能になりました。
自動車分野では「リアルタイム3D」「AR」「VR」などの技術で、アウディやトヨタも Unity を使用して新車の開発をしています。
建築分野では、近年多く導入されているBIM(ビルディング インフォメーション モデリング)データをUnityの3Dテクノロジーで活用し、設計者や現場での関係者などとデータを連携して効率的に仕事が進められる環境を整えています。
3人の若者から始まったUnityの物語。
「Democratizing Game Development」の志は若者たちに引き継がれ、更に活躍の場が広がっていくことでしょう!
まずは挑戦することが大事じゃぞ!
ところでどんなゲームを作るんじゃ?