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  • 【表計算に革新を起こした男】Lotus 1-2-3を開発したミッチー・ケイパー
  • 【表計算に革新を起こした男】Lotus 1-2-3を開発したミッチー・ケイパー

    メディアチームメディアチーム
    2022.10.20

    ITエンタメ

    表計算ソフトLotus 1-2-3(ロータス1-2-3)

    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    ミツオカ、利用者データはまとめてくれたかの?
    ミツオカミツオカ
    できました!
    数学が苦手なわたしでも Excel があれば簡単でホントありがたいです〜
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    表計算ソフトはパソコンを広める理由の一つになったからなあ!
    ちなみに、Lotus 1-2-3って知っておるか?
    ミツオカミツオカ
    聞いたことないですね…でも楽しそうな名前
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    グラフやデータベースと今の表計算ソフトの基本的な機能があったソフトはExcelの前には実はあったんじゃよ。
    それが、Lotus 1-2-3じゃ!
    ミツオカミツオカ
    Excelが初めてじゃないんだ〜!
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    Lotus 1-2-3はミッチー・ケイパーが共同開発して作ったものじゃな!
    では今日はこれについて深堀りしていこかの!

    さまよえる若き日のミッチー・ケイパー

    表計算ソフト「Lotus 1-2-3」を開発したミッシェル・ディビッド・ケイパーことミッチー・ケイパーは、1950年にニューヨーク州ブルックリンに生まれました。

    ロングアイランドのフリーポートの公立高校を卒業後、1967年イエール大学に入学し、心理学、言語学、コンピュータ科学を学び、1971年には学士を取得します。

    在学中にはラジオのディスクジョッキーやディレクターに挑戦する一方、超越瞑想に惹かれていきました。

    大学卒業後はコネチカット州ハートフォードにてディスクジョッキーをしますが、しばらくすると、今度は超越瞑想のインストラクターになります。

    その後超越瞑想から離れ、一般社会へと普及し始めたパソコンのコンサルティングを請け負います。

    1978年にはビーコンカレッジで心理学の修士号を取得し、マサチューセッツ工科大学のスローン経営大学院で学んだりします。

    そしてこの頃、AppleⅡを購入し夢中になっていきました。

    ミツオカミツオカ
    ちなみに「超越瞑想」ってなんですか〜!?
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    超越瞑想とは、ポジティブな力を持つマントラを使った瞑想法で、心の奥深くに存在する完全に静かで穏やかな場所にアクセスする方法だと言われておるな
    ミツオカミツオカ
    ちょっと何言ってるか分かんないです(笑)
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    いわゆる、アスリートの世界で言う「ゾーンに入る」という状態のようだな。
    アメリカのセレブにも結構のめりこんでいる人多いらしいぞ
    ミツオカミツオカ
    …ちょっと怪しい系?
    ケイパーさんは、精神的な世界とか好きだったんですね

    コンピュータのコンサルタントも始めていたケイパーは、マサチューセッツ工科大学の大学院生から依頼を受け、「Tiny Trollを開発しました。

    「Tiny Troll」は線グラフを表示したり、統計関数が使える機能がありました。

    ボブ・フランクストンとの出会い

    「Tiny Troll」を開発したケイパーはマサチューセッツ工科大学内でちょっとした話題となり、パーソナルコンピュータ向けの初の表計算ソフト「VisiCalc」を開発したボブ・フランクストンに声を掛けられ、VisiCalcに関するソフトウェアの開発に取り組みます。

    フランクストンの「VisiCalc」は、大型コンピュータではすでにあった表計算ソフトをAppleⅡ向けに開発し、1979年販売

    ゲーム用と思われていたAppleⅡが、ビジネスにも使えることがわかると、AppleⅡの売上とともに「VisiCalc」も6年間で70万本を売り上げました。

    このことはIBMがパーソナルコンピュータ(パソコン)製作に着手するキッカケにもなるのでした。

    VisiPlotとVisiTrend

    1981年ソフトウェア会社「VisiCorp」(旧Personal Software)から、ケイパーは「VisiPlot」と「VisiTrend」を開発し販売しました。

    VisiPlot」は「VisiCalc」が出したチャートをビジュアル化して表し、「VisiTrend」は統計分析するソフトウェアです。

    当時のパーソナルコンピュータのメモリーの容量では「VisiCalc」で一旦データを出した後に、「VisiPlot」や「VisiTrend」を起動してデータを読み込み処理するようなソフトウェア間の連動が必要でした。

    ケイパーは、この二つのソフトウェアをあっさりとVisiCorp社に権利売却し、170万ドルの利益を得ました。

    Lotus 1-2-3の開発

    ケイパーは売却したお金をもとに、マサチューセッツ工科大学卒のジョナサン・ザックスとロータスデベロップメントを1982年設立しました。

    VisiPlot と VisiTrend の開発の経験を生かし、ザックスとともに表計算ソフトの開発を始めたのでした。

    ケイパーはどのようなソフトウェアにするか設計し、ザックスは処理速度を早くするためアセンブリ言語でコードを書き、IBM-PC用に開発していきました。

    こうして完成した「Lotus 1-2-3」は、表計算機能、グラフ機能、データベース機能、3つの機能を備えたことから名づけられました。

    セルにデータを入れ、「SUM」や「AVERAGE」などの関数で計算ができ、文字入力も可能でした。

    既にある「VisiCalc」やマイクロソフト社の「Multiplan」よりも優位に立つため、256KBになりましたが、高速な再計算を可能とし、グラフィックも向上しました。

    また「VisiCalc」にはなかったマクロやアドインの拡張性もあり、応用範囲が広がり利便性が増しました。

    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    ケイパーは PC が高性能になっていくことを見通して「Lotus 1-2-3」を開発したのだ
    ミツオカミツオカ
    AppleⅡから IBM-PC とでは性能が違うのですか?
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    そうだな。
    AppleⅡは最大でもメモリー64KBしかなかったが、IBM-PCでは256KBもあって、「VisiCalc」のようにメモリーのために別に2つのソフトウェアを作る必要もなかったのじゃ
    ミツオカミツオカ
    時代を見据えた開発だったのですね!

    Lotus 1-2-3を巡る争い

    マイクロソフトは、IBM-PCのオペレーティングシステムと似た「MS-DOS」を1981年に販売し、IBM-PC以外のパソコンに移植していきました。

    これによりIBM-PC以外のパソコンにも「Lotus 1-2-3」が対応できるようになり、ユーザーはますます増えていき、それに対応したパーソナルコンピュータの売上も伸びていきます。

    パーソナルコンピュータのシェア争いは、「Lotus 1-2-3」がキーとなっていたのでした。

    マイクロソフトのExcel現る

    マイクロソフトは、アップルコンピュータが1984年に販売した「Macintosh」に対応した表計算ソフトExcel」を開発して1985年に販売

    1987年には「MS-DOS」に対応した「Excel」の販売も始めました。

    1990年代になると、マイクロソフトは「Word」や「Excel」を格安でアップグレードできるようにし、ユーザーを取り込んでいく戦略に打って出て「Lotus 1-2-3」を脅かします。

    ロータスデベロップメントもMacintoshに合わせた「Lotus 1-2-3」も販売しますが、評価が乏しく、WindowsGUIアプリケーションへの対応が遅れ、「Excel」との差が広がっていきました。

    そして1995年、ロータスデベロップメントがIBMに買収された年、マイクロソフトは「Windows95」を販売し、表計算ソフトの定番は「Excel」となったのでした。

    ケイパーは、1986年にロータスデベロップメントを既に退社していて、新たな活動を始めていました。

    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    「Lotus 1-2-3」は日本でも1986年にNECのPC-98用に販売され、徐々に他のパソコンにも対応して使用されていたのじゃ
    ミツオカミツオカ
    多くの人が使っていたのですか?
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    それが高額で個人ではなかなか買えず、会社や学校で使う人が多かったな…
    当時、表計算ソフトはLotus 1-2-3、文章作成は一太郎の時代だった。
    ミツオカミツオカ
    それでは表計算ソフトを個人で使うのはもっと後になるのですね
    にゃんこ師匠にゃんこ師匠
    やはりWindowsのパソコンにExcelが梱包されてから一般の人に爆発的に普及したな

    黒い画面とブルーリボン

    ロータスデベロップメントを去ったケイパーはマサチューセッツ工科大学の客員教授を務めた後、会社や非営利団体を設立していきます。

    1. ON Technology
    2. 電子フロンティア財団(EFF)
    3. Open Source Applications Foundation(Chandler開発)
    4. Foxmarks(Mozilla Firefox拡張機能開発)
    5. ケイパー・エンタープライズ(ベンチャーキャピタル)
    6. ミッチェル・ケイパー財団(環境衛生慈善団体)
    7. Level Playing Fild(教育と職場の公正提供)

      この他にもMozilla Foundaion の理事長、Linden Lab の取締役、ウィキメディア財団 の顧問も務めています。

      電子フロンティア財団1990年に起きた「スティーブジャクソンゲームズ対アメリカ合衆国シークレットサービス事件」が発端でした。

      ケイパーやジョン・ベリーらによって共同創立された電子フロンティア財団は、シークレットサービスの強制捜査方法について不服を唱え、電子データも物理データと同様に重要であり、プライバシーは保護されるものであることを立証したのでした。

      1996年には電気通信法がクリントン大統領によって発効されますが、インターネットについて、一部規制がかかりました。

      それには書店や図書館でも見ることができるものがあったため、大きな反発が起こりました。

      ケイパーは抵抗の印としてブルーリボンを提案し、電子フロンティア財団と米国市民自由連合は、ブルーリボンを付けたり、パソコンの黒い画面にブルーリボンを表示したりして、反対の意を表します。

      この抗議に、フィラデルフィアの連邦地裁は運用の一部を差し止める仮処分を決定し、騒動はおさまりました。

      現在、ケイパーはソフトウェアのシェア争いから下りましたが、インターネットが安全に自由に使え、発展できるように業界を見守っています。

      にゃんこ師匠にゃんこ師匠
      ケイパーたちが設立した電子フロンティア財団は、トロント、オンタリオ、ロンドンにも支部を置いて、ネットに関するあらゆる問題を提示し、解決のための活動しているのだ。
      ミツオカミツオカ
      ネットは便利ですけど、いろいろな問題も起こりやすいのも事実ですね
      にゃんこ師匠にゃんこ師匠
      ケイパーは、他にも非営利団体に寄付も多くして支援もしている。
      また新興企業に投資もして、新しい技術の発展の後押しもしているんじゃ
      ミツオカミツオカ
      作る側から支援する方に回ったのですね
      にゃんこ師匠にゃんこ師匠
      今のケイパーは、それが最良だと感じたのだろう
      ミツオカミツオカ
      大きな発明をするのも大変ですけど、それを維持していくのも大変な世界ですもんね
      にゃんこ師匠にゃんこ師匠
      インターネットの世界は移り変わりが速いからな。
      まあミツオカはずっとそのままじゃがな
      ミツオカミツオカ
      は?
      進歩がないってことですか?
      にゃんこ師匠にゃんこ師匠
      あ…
      いやいや、いつも精一杯がんばっているということじゃな…
      ミツオカミツオカ
      「ミツオカ1-2-3」いっきまーす!👊

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