ソフトウェア開発プラットフォーム「GitHub」
今と同じで、本やネットで勉強したもんじゃ。
ほとんど独学だったがな
このおかげでオープンソースソフトウェアの開発も活発になっていったのじゃ
学位よりもスキルを選んだクリス・ワンストラス
1985年、クリス・ワンストラスはアメリカのオハイオ州で生まれました。
子供の頃からビデオゲームが大好きでよく遊んでおり、いつか「自分でもゲームを作りたい」と考えるような少年でした。
ある日、雑誌の表紙を飾るビル・ゲイツの姿がありました。
それをみた、クリスは「同じ色の髪や目を持つ人がプログラミングできるのだから、自分にもできるのではないか」と思いました。
そんなクリスは、シンシナティ大学に進学。
英語を専攻しましたが、プログラミングの授業に夢中になっていきました。
2年も経つと授業そっちのけでひたすらコードを書く日々が続き、一人でゲームのプログラムが書けるほどになっていました。
やがてクリスは学位を取得する必要性を感じず、このスキルを身につけて成長することの方が重要だと思うようになります。
そして、「大学中退」という大きな決断をするのでした。
この選択に両親は寛大で、冷静に受け止めてくれました。
確かにそうだが、大学を中退した創業者は結構多いのだぞ
その他も沢山いるから探してみるといいぞ!
「Git」からの「GitHub」
大学を中退したワンストラスは、サンフランシスコにあるCNT(Cnet Networks Gamespot)に、エンジニアとして就職しました。
クリスはサンフランシスコへ向かう途中、自分が本当にエンジニアとしてやっていけるか心配していました。
今まで独学でやっていたため、通用するか自信がなかったのです。
しかし、その心配はどうでもいいものでした。
CNTでは頼れる同僚とバリバリとプログラムを開発し、キャリアを磨いていくのでした。
まさに天職といえました。
分散型バージョン管理システム「Git」
サンフランシスコで充実した日々を送るクリスには、熱く語り合う友人ができました。
その友人はアバターを提供する会社「Gravatar」を創業したトム・プレストン=ワーナーです。
ワンストラスは、プレストンとスポーツバーで「Git」についてよく話していました。
「Git」は「Linux」開発者のリーナス・トーバルズが開発した分散型バージョン管理システムです。
サーバーにある中央リポジトリをローカルにコピーして、それに修正や追加などします。
そして、このローカルでの変更内容を中央リポジトリに反映させます。
これにより変更履歴がすぐにわかり、元に戻すことも容易になり、複数のメンバーでの仕事もデータを共有できるようになりました。
開発者たちが集う「GitHub」
しかし「Git」では、ソースコードを自由に見ることはできませんでした。
優秀な人のソースコードをみて、もっと成長したいと思っていたクリスには不満でした。
そこでプレストンが提案したのが、ホスティングサービスです。
Wikipediaのように多くの人がオンライン上でソースコードを閲覧したり、編集できたりする機能を「Git」に付加することを思いついたのでした。
早速、プレストンがページをデザインし、クリスが実装する作業を担当しました。
そして、改良を重ねていき理想に近づけていきました。
GitHubが誕生
同僚のPJハイエットも開発に加わり、2008年4月10日に「GitHub」が誕生。
クリスは「GitHub」のCEO(最高経営責任者)となりました。
「GitHub」はアカウントを作成すれば、他の人のソースコードを見ることができ、コメントも書けました。
また自分のソースコードを公開し、他の人に助言を求めることもできました。
プログラム開発の「進捗管理」や「デプロイ」も行えます。
ソースコードを未公開にしなければ、無料でサービスが使用できる手軽さが多くの開発者に受け入られ、ユーザーはたちまち増えていきます。
開発者たちは組織や企業などの枠組みを超えて、インターネットを介しての共同作業が可能になりました。
急成長
「GitHub」のコミュニティは活発なやり取りでにぎわい、開発者たちの独創力を高めるのでした。
「GitHub」はサンフランシスコのダウンタウンにオフィスを構えましたが、3人が集まることはあまりなく、それぞれが連絡を取りながら仕事をしていました。
クリスも世界中を旅しながら仕事ができる自由さに大いに満足するのでした。
「GitHub」は2012年にユーザーが100万人となり、2014年には600万人超える急成長を遂げました。
ユーザーが増えていくと、プログラム開発プラットフォームにSNSの機能が付いているGitHubは開発者のポートフォリオの役目をするようになりました。
「職場を求める人」と「人材を求める人」を繋いでいます。
またプログラミングを始めて間もない人には、いろいろな人のソースコードを見て学習できる場所にもなっています。
会議もプレゼンもお手の物じゃ
ただ世の中が追い付いてなかったんじゃ
ノーコードがソフトウェアの未来
クリスはGitHubが軌道にのってくると、中断していたサイドプロジェクトであるテキストエディタ「Atom」の開発を2011年再開しました。
3年後の2014年には、macOS X向けのベータバージョンを作成。
2015年には、「Atom 1.0」をオープンソースとして公開しました。
フレームワークには「Atom Shell(のちにElectronに改名)」を使用し、JavaScriptやCSS、HTMLなどのWeb技術を利用したデスクトップアプリの作成を可能にしたのでした。
検索や置換をはじめ、属性や規則に応じてテキストを色分けできるシンタックスハイライト、必要な情報を一度に見られる画面分割により作業効率をアップしました。
プラグインにより、自分が操作しやすい画面などの設定をカスタマイズできます。
更に「Atom」はGitHubのコミュニティにより、動作スピードをアップし、便利な機能を追加していきました。
この頃テキストエディタはアドビの「Brackets」などがありましたが、カスタマイズのしやすさから「Atom」は多くの開発者から支持を得ました。
多くのアプリケーション開発に使用された「Atom」でしたが、「Visual Studio Code」にシェアを奪われていき、2022年12月に開発は終了してしまいました。
「GitHub」の売却
AppleやMicrosoftも使用し始めた「GitHub」。
クリスたちが考えていた以上に、「GitHub」の需要は膨らんでいきました。
オープンソースとビジネスは水と油のような関係でしたが、「GitHub」の登場により、徐々に融合するようになったのです。
そして、これからも「GitHub」を維持し、もっと多くの人にプログラミングを知ってもらうためには、Microsoftへの売却が妥当であると考え売却しました。
Microsoftへ売却はしましたが、「GitHub」は独立企業として維持。
新しいCEOを迎え、再出発となりました。
クリスは、Microsoftのテクニカルフェローに就任しました。
ソフトウェアの未来
クリスの考えるソフトウェアの未来は、コーティングゼロです。
ソフトウェアの開発は、コーティングでもタイピングでもコンパクトでもなく「構築である」とクリスは考えています。
ソフトウェアを構築し、そのソフトウェアを使用する人に影響を与えることの方が重要であると。
コーティングはソフトウェア開発の一部であり、いずれはにコーティングする必要はなくなるとクリスは予想します。
優秀なツールの登場によって、ソフトウェアの細かな制御も可能となるでしょう。
2017年、クリスが語った未来は、ノーコード開発ツールである「STUDIO」や「bubble」によって実現化が進んできています。
ソフトウェア開発の垣根は低くなり、自分が必要とするソフトウェアを自ら構築する未来になっていくのでしょう!
それが簡単にできる未来がきっとすぐそこまで来てるのでしょうね
そうなると、人間は何もしなくてよくなるけど、ミツオカは何するんじゃ?
だから、今月末に納期のシステムは完成させにゃならんぞ!
妄想ばかりしてないで仕事するぞ!