immichを知ってほしい
IT技術
はじめに
2010年代のスマートフォンカメラの高性能化と、クラウドベースの写真管理サービスの普及により、 多くの人が何らかの商用のクラウド写真管理サービスを利用していると思います。
しかし、このような状況下で、以下のような悩みを抱える方も少なくないでしょう。
- 利用中のサービスの料金変更やプライバシーに関する懸念
- 出産などのライフイベントによる家族構成の変化に伴う、管理写真の急増と将来的な出費への不安
- 自宅のサーバーリソースに余裕があり、新たなサービスを追加したい
これらの悩みのうち一つでも当てはまる方は、「immich」の導入を検討してみる価値があるかもしれません。
immichとは
immichは、オープンソースの自己ホスト型の写真、動画管理ソリューションです。主な特徴は以下の通りです。
- 自己ホスト: 自分のサーバーで運用できるため、データの管理を完全に自分でコントロールできます
- クロスプラットフォーム: iOS、Android、Webブラウザに対応しており、様々なデバイスから利用可能です
- 自動バックアップ: スマートフォンで撮影した写真を自動的にバックアップする機能を備えています
- 顔認識: 写真や動画内の顔を認識し、人物ごとにグループ化します。グループに名前を付けて検索することができます
- 位置情報活用: 撮影した写真と動画の地図上での可視化や、都市名による検索ができます
- 共有機能: 家族や友人と特定のアルバムや写真を共有することができます
他のFOSS写真・動画管理ソリューション
immichだけでなく、PhotoprismやLibrephotosなど、他の自由オープンソースの写真管理ソリューションも存在します。 多くのプロジェクトが一般向けのデモページを公開しており、Dockerを用いたインストール方法も案内しています。 簡単に試すことができるので、一度見てみてはいかがでしょうか?
使ってみた感想
1年近く、自宅のサーバーでimmichを家族向けに運用してきた感想を述べたいと思います。
簡単な導入・高い完成度
公式推奨の Docker Compose を用いた導入はとても簡単で、ローカルネットワークで使う分には1時間かからずモバイルアプリから写真のバックアップ開始までできると思います。
ウェブ、モバイルアプリは今時の洗練したインタフェースで使いやすく、管理画面で設定できる項目も豊富で分かりやすくなっています。 こちらは文字で説明するより一度触った方が分かりやすく、Demo Portalを一度試すことをお勧めします。
バックアップを取ろう
immichは現在も活発に開発が続けられており、破壊的変更が発生することがあります。 バックアップに関してDBと写真、動画ファイルのバックアップスクリプトで述べられています。
他に Docker compose 構成ファイルもGitなどのツールでバージョン管理すると、docker-compose.yml
などの変更が必要な場合、アップグレード作業が楽になります。
プロジェクトとコミュニティからの学び
まず、Docker Composeの extends
を使った Hardware Transcoding 構成が優雅で感動しました。 hwaccel.transcoding.yml
のservice
として記述された幾つかの使用例のうち一つを、docker-compose.yml
の extends
で選択するようにしていて、初心者にも分かりやすく複数のユーズケースに柔軟に対応できるものでした。
2024年9月現在、immichのGitHub星は4.4万で大きいコミュニティを持っています。 Community Guidesをはじめ、GitHub Discussionsやr/immichでOAuth認証、他サービスからの移行などのガイド公開、質問応答が活発に行われていて、他の自己ホストにも役に立つものも多くありました。
最後に
本記事では、FOSS写真・動画管理ソリューションであるimmichを紹介しました。 特に自己ホストに興味がある方にとって、immichは魅力的な選択肢となるでしょう。 ぜひ一度試してみて、皆様の写真・動画管理がより良くできれば幸いです。
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