マウスとカーソルの歴史
…お!ミツオカは、トラックボール付きのマウス使っておるのか!?
マウス編~マウスとカーソルの歴史を辿ろう!~
日々のパソコン操作で、欠かせないのが「カーソル(マウスポインタ)」。
そのカーソルを操る機器が、皆さんご存じの「マウス」です。
エンジニアはもちろん、小学生まで、自由自在に操っていますね。
このカーソル(マウスポインタ)とマウスは、いつ作られ、どのような変遷を辿ってきたのでしょうか?
この記事では、マウスの歴史とカーソルの歴史を辿っていきます!
まずは、マウスの歴史からどうぞ!
ダグラス・エンゲルバートが「マウス」「カーソル」を発明する
出典:Wikipedia
ダグラス・エンゲルバートって?
マウスを発明したのは、アメリカの発明家であるダグラス・エンゲルバート(1925~2013年)。
マウスの他には、「ウィンドウ」「ハイパーテキスト」「ネットワークコンピュータ」などを発明してきました。
そんなエンゲルバートは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍に徴兵され、レーダー技師として勤務。
その経験から、「ここにないものをモニタ上で表示できる」ことを、エンゲルバートは感覚で覚えていったのです。
終戦後は、コンピュータ開発の現場へ勤務したエンゲルバート。
そこで数多くの発明をし、軍事機密の存在だった「コンピュータ」を、一般の人たちでも扱えるようなものへと変えていきました。
私たちが、パソコンを直感的に使えるのは、エンゲルバートのおかげというわけですね。
初代マウスは木の箱に車輪
出典:Wikipedia
初代マウスは、1967年に発明され、1970年に特許を取得。
そんな人類史上初のマウスは、なんと「木」でできています。
底には、縦軸と横軸を感知するための車輪が、タテヨコに1つずつ設置。
「左クリック」と「右クリック」は、この当時にはなく、ボタンは1つだけでした。
このように、初代マウスは、かなりシンプルな構造だったわけです。
マウスの由来は?
マウスの由来は、その見た目。
現代のマウスのケーブルといえば、指側の前方から出てきますよね?
初代マウスでは、なんと手首側からケーブルが突き出ていました。
この形が、動物のネズミに似ていることから、「マウス=mouse」という名前になったのです。
マウスに驚く人々
画面上の「カーソル」と、自分が持っているテーブル上の「マウス」が連動して動くということに、多くの人が驚愕しました。
「画面の上のカーソルをマウスで動かす」と言われて、直にモニタにマウスを押しつけるというコント。
なんか見たことあるような気がしますね(笑)
そんなウソみたいなシーンが、世界中のパソコン教室で繰り広げられることになるのは、この約20年後のことです。
気になって仕方ないのう
マウスが発明された時、マウスは要らなかった!
「さぞやガッポガッポ儲けたのだろう」
「コンピュータ製品は、1にモニタ、2にキーボード、3にマウスだもんね」
と思いきや、エンゲルバートは、ロイヤリティーを1ドルも受け取っていません。
マウスが誕生した1970年のコンピュータといえば、まだまだ「電子計算機」のことで、軍事施設や大企業の奥深くで使用されるもの。
当然、その時代では、マウスの需要が全くなかったのです…!
「パーソナルコンピュータ」が普及するも?
個人で使える「パーソナルコンピュータ」が実用化されたのは、1970年代後半。
スティーヴ・ジョブズが、史上初のホームコンピュータ「Apple」を制作して、バカ売れした時代です。
その後、パーソナルコンピュータの進化にともなって、マウスは必需品になっていきます。
ところが、なんと、広く普及する前の1987年に、マウスの特許が切れてしまったのです…!
く~、これは惜しい。
エンゲルバートは、かなり時代を先取りしていた「すごい発明家」だったとも言えますね。
「カーソル」じゃなかった!矢印のアレの名前
「カーソル(マウスポインタ)」は、当初からその名前ではありません。
当初の名前は、なんと「バグ」。
エンゲルバートが、「バグ」と名付けたのですが、この名前は定着しませんでした。
結局、ラテン語で「走者」「競争者」をあらわす「cursor」にちなんで、「カーソル= cursur 」となりました。
マウスの歴史
それでは、次にマウスの進化の歴史を見ていきたいと思います!
ボール式(第1世代)
1990年代ごろまでは、底面のボール型センサー(マウスボール)で動作を検知する、「ボール式マウス」が広く使われていました。
「Windows 2000」が出るまでは、皆さん「ボール式マウス」を使用していた記憶はありませんか?
木の箱に車輪がついたような初代マウスと比べたら、大きな進化を感じますね!
ただ、定期的に分解して清掃しなければ、ゴミが詰まってマウスが動かなくなるなど、手間がかかる難点も。
買い替えるにも、コンピュータ機器やマウスも高価なので、なにかと負担が大きいのがデメリットでした。
光学式(第2世代)
1980年代に開発されたのが、非接触式センサーで、場所移動を感知する「光学式マウス」。
ボールはなく、底面のセンサーで場所移動を感知し、ポインタを動かします。
これにより、マウスボールのつっかえにイラついていた庶民たちへ、新しい風を吹きこみました。
この「光学式マウス」が、一般に普及しはじめたのは、1999年発売のマイクロソフト社製品によって。
ただ、当時の「光学式マウス」は、専用のマウスパッドが必要だった上にとても高額でした。
デメリットとしては、透明なガラス板の上や光沢面に接すると、カーソルが動かなくなったり、動作が不安定になります。
レーザー式(第3世代)
2004年に誕生したのが、透明なガラス天板のテーブルでもマウスパッドなしで使える、「レーザー式マウス」。
ロジテック社が、赤外線レーザーを使用したマウスの開発に成功したのです。
しかし、「レーザー式マウス」は、「リフトオフディスタンス」が大きいという重大なデメリットが。
リフトオフディスタンスとは、マウスを持ち上げた際に、マウスポインタ(カーソル)が遠くへ移動する現象のこと。
ちょっとマウスを持ち上げて置き直すと、「あれ!カーソルどこ行った!?」とパニックになる光景が、あちこちで見受けられました。
青色LED式(第4世代)
2008年には、第4世代となる「青色 LED 式マウス」が、マイクロソフト社から誕生しました。
「青色 LED 式マウス」では、リフトオフディスタンスが起こりづらく、動作検出精度が高いのが特徴です。
もちろん、マウスボールもないので、手間やイライラもありません。
ちなみに光学式とレーザー式は、マウスの底に赤い光がチカチカしていたものでしたが、「青色 LED 式マウス」では底面の光が青くなりました。
ここまでくると、令和の私たちが知っているマウスに、かなり近くなってきましたね。
ただ、「青色 LED 式マウス」も、透明なガラス天板のテーブルでは課題が残ります。
暗視野顕微鏡レーザー式(第5世代)
2009年にロジテック(ロジクール)から誕生したのが、第5世代である「暗視野顕微鏡レーザー式マウス」。
「暗視野顕微鏡レーザー式マウス」では、これまで課題となっていたガラス天板の上でも、難なく使うことができます。
もちろん、非常に精度も高く、マウスの進化が最も感じられる代物。
「マウスパッドがないとマウスが反応しないから」というのは、昔のことになりつつあるんですね。
ここまで来るのに、エンゲルバートが木の箱と車輪でマウスを作ってから、約40年が経っていました…
カーソル編へ続く!
次回は、カーソル編になります。
カーソルの歴史や存在意義などについて探っていきたいと思います!
カーソル編はこちら
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